リーグの開幕2試合とナビスコ杯の2試合は今季のレッズにとってレシーズンマッチのようなもの、というのはいささか乱暴かもしれないが、終わった今となってはそう言ってもいい。
今季は始動が遅く、グアムでフィジカル中心のキャンプを2週間。その中で練習試合が3回あったが、J1のチームとは、ケガ人が多くキャンプ終盤で疲れがたまっていた新潟のみ。帰国してからも同レベルのチームとは試合をせずに開幕を迎えた。相手チームのレベルは二の次にしても、きちんとした形で、つまり公式戦に準じた形での試合を経たのと経ないのでは、だいぶ違う。
3月初旬のころ、開幕数試合は、試合内容はともかく何とかして勝点を取りながら、実戦で仕上げていく期間なんだろうなと思っていた。悪くて2分け、1勝1敗くらいで仕方がないかなと。まさか2連敗するとは思わなかったが。
問題が噴出し、体制を立て直すことになった2試合は無駄ではなかった。つまりはプレシーズンマッチの前段だ。そして新体制になり、選手たちも心機一転して臨んだナビスコ杯の2試合はテストマッチということになる。守備での課題は残ったが、攻撃の連係やバリエーションに関しては、プレシーズンマッチで出た問題を解決しつつあると言っていいだろう。勝点6のハンデをつけた再スタートだが、リーグ残り31試合の中で十分取り返せる数字だ。
3試合で1勝2敗3得点3失点。引き分けが3試合続いたのと同じ、という見方もある。だけど強がりを言わせてもらえば、開幕3引き分けよりも、2敗のあとの1勝の方が、流れとしては良い。もちろん今後に向けて上昇傾向だと言えるからだ。これが横浜FMと名古屋に引き分けたあと、新潟にも引き分け、という状況だったらどうだろう。あまり明るいとは言えない。
1勝したぐらいで楽観できないのはわかっているが、今はポジティブな材料が多く目に付く。といっても開幕2試合が良くなかったから、それとの比較で、ということだが。
リーグ、ナビスコ杯合わせて考えると、3試合無得点から2試合連続で3得点。得点のパターンもすべて流れの中でのもので、バラエティに富んでいる。得点者も4人だし、絡んだ選手の顔ぶれも多彩だ。
また堤、細貝といった若手が先発として完全に計算できるようになった。特に堤はレッズユース出身者で初めてリーグ戦に先発した選手。公式戦450分出場でA契約に至ったのも初だ。これはクラブにとっても明るい話題と言える。ベンチにはセルヒオや西澤らユース出身の若手も入っており、楽しみだ。次はユース出身者のリーグ初ゴールを見たい。
長期離脱のロビーやアレックス、今は達也に啓太、高原もリハビリ中だが、これだけのメンバーがいなくてもJ1で他チームに伍して戦えれるというのもすごいことだと思う。
優勝のために連敗してはいけないというが、今のレッズは逆に連勝することが大事。上昇傾向をはっきり定着させ、選手たちが自信を持つためにも清水、磐田と続くアウェイ2連戦は重要だ。いつもに増して緊張感を持って明日、スタジアムに向かう。 |