レッズユースが高円宮杯第20回全日本ユース(U-18)選手権でベスト8に進んだ。
9月21日(月・祝)、茨城県のひたちなか市総合運動公園陸上競技場で行われた決勝トーナメント1回戦(ラウンド16)の相手は東京ヴェルディユース。1次ラウンドを2勝1分けのグループ1位で通過したチームだ。ヴェルディらしい、というか読売クラブらしい個人のテクニックとグループの連係が随所に見られ、多くの場面でレッズが押されていた。だが、それをしのいでレッズが後半に先制点を挙げ、そのまま勝った。そのまま、といっても楽に勝てた訳ではなかった。詳しい試合内容と見どころはクラブオフィシャルの携帯サイト(レッズモバイル)に書いたが、本当にチームの成長が見られた勝利だった。
ここでは、この2チームの対戦成績のことに触れてみたい。
レッズユースは今季、東京VユースとU-18の公式戦で2回対戦している。1度目は5月10日、プリンスリーグの第7節、駒場スタジアムで当たり、後半40分にレッズが決勝点を挙げ1-0で勝っている。これは僕も見に行っていた。ほぼ五分五分の試合展開だったと記憶している。
2度目はJリーグの横浜F・マリノス戦と重なったため見られなかったが、6月21日、レッズランドで対戦し、1-2で負けている。日本クラブユース選手(U-18)の関東予選二次リーグの最終節で、勝った方が全国大会にコマを進められるという試合だった。レッズは前半に退場者を出し失点、前半のうちに追いつくが後半決勝点を奪われた。この敗戦でレッズユースは関東予選二次リーグでグループ3位で終え9位決定戦に回ることになった。そこで最後はPK負けしクラブユース選手権に進めなかったという苦い経験がある。
負けてはいけない試合で負けた経験を持つレッズユースが、同じく負けられない決勝トーナメントという場でリベンジしたことになる。特に局面局面ではヴェルディの個人技の高さが光っていただけに、うれしい勝利だった。
だが実はもう一つ、レッズユースの選手たちにとってリベンジの性格を持つ試合でもあったのだ。
2年前の12月25日。場所も同じひたちなか市総合運動公園陸上競技場で、高円宮杯全日本ユース(U-15)選手権の準々決勝が行われた。レッズジュニアユース対東京ヴェルディジュニアユース。善戦したが、後半6分にカウンターから失点し、そのまま0-1で敗れた。ベスト4ならず。
このときの中学3年生たちは現在高校2年生。21日の試合に臨んだメンバーのうち、礒部裕基、矢島倫太郎、鈴木大輝、若井祥吾、岡本拓也、広瀬健太ら、ジュニアユースからレッズに在籍する現在高2の選手たちは、2年前同じ場所で同じ相手に涙を飲んでいるのだ。ヴェルディの方も高校2年生が何人も出ており、2年前のメンバー表で見た名前があった。僕が気がつく以前に、選手たちが意識していたに違いない。
U-15、U-18というカテゴリーを越えた関係。クラブチームの面白さは、こんなところにもある。しかも同じ会場でのリベンジなのだから何やら因縁めいている。
白状すると僕は試合が終わるまで思い出せなかった。どうして(最近忘却率が高くなっている)記憶の糸を手繰り寄せられたかというと、試合を運営する茨城県サッカー協会の段取りの良さだった。報道受付から、控室での対応、試合後の取材対応などJリーグの公式戦並みにしっかりしていた。そしてこれは2年前に訪れたときと同じだった。この日、ミックスゾーンで堀監督を取材しているときに、(あれ?前にも名取監督にこうやってここで取材したなあ)と場面がフラッシュバックしたのだった。 |