天皇杯。
サポーターに良いクリスマスプレゼントとなった。プレゼントだから当然、開けてみないと何が入っているかわからない。豪華特典(得点)付きの準決勝行きの切符だといいが。
それはともかく、世間はクリスマスの日に遠出をするのか近場でいいのか、これは大きな違いだ。レッズサポーターの方がガンバサポーターより行くはずだから、近くにして、というのは「数の論理」。そんなことは言わない。まあ今日の夕方に発表されるはずだから、交通手段の手配はそれからでも間に合う。
それよりも、問題は準決勝の場所。まだ勝ってもいないのに気が早いと言われそうだが、例年(ここ3年は縁がなかったのでうろ覚えだが)、国立とエコパか長居じゃなかったか。レッズが勝ち抜いた場合、準決勝の会場が国立なら、高円宮杯U-15の決勝とダブルになる。ジュニアユースは全国大会出場を決めたばかりで、決勝どころか1回戦も終わっていないが、今のところその可能性が残っているのだから、しばらく夢を見られる。
05年の12月29日の感動は忘れられない。レッズが4回目の天皇杯準決勝に進んだ日、同じ国立競技場で高橋峻希キャプテン率いる(率いたのは名取篤監督かな)浦和レッズジュニアユースが高円宮杯全日本ユース(U-15)選手権の決勝を行ったのだ。山田直輝もいたし、中学2年生の原口元気もいた。永田拓也はケガのために試合には出場していなかった。岡本拓也はまだ中学1年生でメンバーに入っていなかった。
FC東京U-15深川に2-0のスコアで勝ち、トップチームより3日早く優勝。試合が11時半からだったため、後輩たちのプレー姿はトップ選手たちの目には留まらなかったが、15時からの試合に備えて会場入りしたころ、優勝の余韻は残っていたはず。それはモチベーションになったのだろうか。
トップチームは大宮アルディージャとのダービー準決勝。先行しながら追いつかれ、延長まで戦ってようやく決勝進出を決めた。考えてみればその日は朝の10時ごろから18時半ごろまでずっと国立にいたことになる。そしてジョン万次郎で祝杯を挙げる余裕もなく、事務所に帰ってMDP天皇杯決勝特別号の最後の編集を徹夜でやったのだった。
あの日の天皇杯準決勝に出場していた都築、細貝、堀之内、坪井、ポンテ、山田たちのうち、自分たちと入れ替わりでスタジアムを後にする中学生たちが4年後、埼スタでチームメートとしてプレーすることになるかもしれないと思っていた選手は何人いただろうか。
逆に峻希、直輝、原口、それにスタンドで見ていた永田。彼らは数年後に自分たちが天皇杯準決勝で国立競技場を訪れ、さらに後輩たちが高円宮杯の決勝で前座を務めることになるかもしれない、と想像しただろうか。
17日、磐田に勝った後、峻希にそのことを聞いた。もちろん5年前のことは鮮明に覚えていて、「ぜひ、そうなったらいいですね」と言っていた。ジュニアユースのU-15監督を務める池田伸康さんも、「高円宮杯で決勝に進んで、トップチームも前座を務めたい」と話していた。
だから準決勝の会場が国立でないと、ドラマができないのだけれど…。どうやら難しいかな。
今年はダブルの取材ができないかもしれないが、ぜひ兄弟そろって快挙を遂げてくれ。あ、姉というのか妹というのか、レディースの全日本女子選手権もある。
世間がクリスマスだ、年越しだと忙しいときに、サッカー以外のことができない。そんな「幸せな」年末になることを願っている。 |