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Weps うち明け話 #1102
秋の新シーズン幕開け(2021年10月7日)
9月の中ごろ、レッズランドへ向かう途中、何となく、道の両側がきれいだな、と思った。
見ると街路灯のバナーが新しくなっている。
「サッカーのまち浦和 We are REDS!」の赤いバナー。
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1週間前に同じ道を通ったときには、たぶんなかった(あったら僕のセンサーに感じたはず)ので、最近付けられたのだろう。通常は2月ごろ、いっせいに新しくなる光景だが、東京2020が長引いたため(?)、この時期の付け替えになったのだろう。
今シーズンの「浦和レッズ・オフィシャル・ハンドブック2021」に「街路灯バナーの歴史」を書かせてもらった。約30年を振り返る仕事だったのでけっこう大変だったが、多くの方の協力をいただいて何とかまとめることができた。取材中は「こんな資料はクラブでちゃんと残しとけよ!」「ホントにレッズって、やりっぱなしだな」とブツブツ言っていたが、考えたらいま自分がやっていることが、まさにその記録を、大げさに言えば歴史を残す大事な作業なんだ、と思い直した。
みなさん、街路灯バナーの歴史を知りたいときは、「浦和レッズ・オフィシャル・ハンドブック2021」の10~11ページをご覧ください。
そんなわけで、特に今年からバナーに対する愛着が深まった。
話を聞くと、新しいバナーは旧浦和市の四区と中央区・岩槻区の一部に、約2,500枚が掲出されているという。デザインは原点というか見慣れたもので、以前は右下に各区の名前とシンボルカラーが入っていたが、今回は浦和区を除き、全体がさいたま市のマークに統一されている。
これも、かつての日常だった。
その年によりデザインが若干変わっているが、新シーズンの幕開けを告げる風物詩として心地良さを感じていた。
月日が流れるとバナーはだんだん傷んでくる。場所によって傷みの程度が違うのは、風の強さや排気ガスの影響だろうか、あまりにみっともなくなったものは、クラブに言えば取り替えることになっているはずだが、ときどきボロボロになったままのものを見かけた。そんなときは忘れないように場所をメモして、クラブのホームタウン部に連絡した。
だが、シーズン中にいっせいに取り替えることはない。
ある意味では季節外れの新シーズン幕開けだ。
今季は、長くて残り2か月半。試合は多くて12試合。順調に強くなってきたと感じたレッズだが、進む道はやはりモーグルのコースみたいなものかもしれない。大事なことは、凸凹で大きく姿勢を揺らすことがあっても、倒れずに完走すること。1敗で自信をなくしたり、1つの失点で下を向いたりしていてはいけない。
ここまで45試合、約9か月間闘ってきた最後の仕上げをし、闘いの証を残すべき秋に入っている。
思いを新たにするのに、絶好のタイミングでの新バナー取り付けだった。
EXTRA
上記、オフィシャル・ハンドブックの取材中、街路灯バナーを夏休みの自由研究の題材にした小学生を知った。非常に興味深かったのでMDPで紹介しようと、本人に取材もしたのだが、いまだにMDPは印刷物での発行がなく、そのままになっている。いつか何らかの形で紹介するつもりなので、Kくん待っててください。
(文:清尾 淳)