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Weps うち明け話 #1174

プレーオフに勝ったからには(2023年8月28日)

 

 ACLのグループステージ日程が決まった。武漢とハノイという未対戦のチームと同じ組なのは楽しみでもあり、不気味でもある。

 最終目標はもちろん4度目のアジア制覇だが、あまり先のことを言っても仕方がない。とりあえずはアウェイの武漢戦だ。

 だが、それとは別にひそかに思っていることがある。ここに書いて何がひそかだ、とも思うが。

 

 過去、JクラブがプレーオフからACL本大会に出場したのは、のべ9回。それらのクラブの成績はグループステージ敗退が2回、ラウンド16敗退が4回、準々決勝敗退が2015年の柏レイソルと2019年の鹿島アントラーズと2022年のヴィッセル神戸の計3回。つまり最高がベスト8だった。

 これを上回りたい。プレーオフ出場クラブ、と言っても浦和レッズは前年優勝で出場権を得たわけで、Jリーグ3位(あるいは4位)で出たのとは違うというプライドも少しある。一方、昨年の国内の成績ではACL出場権を得られなかった、という引け目も少しある。Jリーグ3位だったサンフレッチェ広島が、ACLに出られなくて悔しい思いをしているのか、出なくて済んでホッとしているのかわからないが、とにかく本来のレギュレーションで得たプレーオフ出場権を横から奪ったようなものなのだから、簡単に敗退してしまっては申し訳ない気持ちになる。

 

 とりあえず理文に勝ったことで後ろ指をさされることはないだろうが、次はグループステージだ。

 5グループ体制になってからは、一つの負けが突破と敗退を分けることになるから、初戦の武漢戦がいきなりのヤマ場になりそうだ。自分の組の順位計算だってめんどうなのに、去年のように他の組の2位がどうなるかなんて幾通りもあるシミュレーションはもうしたくない。1位突破へ万全の体制で臨んでもらいたい。

 

 とはいえ、多くの選手たちにとって、ホーム&アウェイのグループステージは初めての経験だ。昨年、タイに滞在して6試合を一気にこなしたのも大変だったろうし、決勝でサウジに行ったときも緊張感あふれる日々を過ごしただろう。

 だが本来のグループステージは、その2つとは質の違う大変さがある。

 先に優勝を味わってからグループステージを経験するというのもおかしな話だが、これを戦うことで絶対にチームは鍛えられる。

 そして突破して、年越しの楽しみを増やして欲しい。

 

(文:清尾 淳)