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Weps うち明け話 #1188
焼き付いている沖縄SV戦のシーン(2024年1月23日)
チームに遅れること2日、1月19日(金)から沖縄入りしている。
トレーニングキャンプ5日目の昨日、21日(日)、レッズは地元の沖縄SVと45分✕3本の練習試合を行った。
結果はオフィシャルサイトをはじめ、もう出ているだろうけど、念のため。
1本目2-1(得点:松尾、前田)
2本目4-2(得点:松尾、エカニット 、関根、髙橋)
3本目2-0(得点:佐藤、早川)
JFLとはいえ、始動してすでに2週間ほど経ち、川崎とも練習試合をやっている沖縄は、選手の動きが良く、全体にスピード感ある試合だった。レッズもマイボールにすると、ダイレクトか人を経由してか、あるいはドリブル突破か、いずれかの手段であまり時間をかけずに前線までボールが運ばれることが多かった。
課題の得点力で、135分で計8点取れたことは、まずまずだった。何より、得点までの形が良いものが多かった。個人の力はかなり表現されているようで、これから新しい仲間との連係、新しい戦術の落とし込み、ピッチ内での判断などが磨かれていけば、Jクラブ相手にも点は取れると感じた。
一方、3失点はミスがらみが多く、昨季のJリーグでの失点の少なさはどこへ行ったのか、とぼやきたくなる。失点の理由ははっきりしているので、個人とグループでの改善が必須だ。
詳しい戦評を書くのは苦手なので(笑)、強く印象に残ったシーンや選手を挙げることにする。ちなみに、今季は数年ぶりに得点経過や選手のポジションなどを書いても可、となっているのでありがたい。
試合を思い出すと最初に出てくるのは松尾佑介。67分プレーして、2ゴールを挙げたということもあるが、それ以外の場面でも相手に圧力をかけ、チャンスをうかがう、というよりは自らの動きでチャンスを切り拓いていた。
たとえば左ウイングを務めた1本目の15分ごろ、右クロスに興梠慎三が走り込んだがわずかに合わず、相手DFに渡った。クリアしようとしたのか、味方につなごうとしたのかわからないが、そこへ松尾が猛然とプレス。相手と競り合い、結局マイボールのスローインにした。攻撃を単発で終わらせない、あきらめない姿勢が生んだプレーだった。また相手DFへのハイプレスも迫力があったが、相手がビルドアップしているところへプレスバックして攻撃の芽を摘むプレーも印象的だった。
ワントップになった2本目、12分に安居のスルーパスを左足で蹴り込んだ後、右手のこぶしを握って小さくガッツポーズしたように見えた。その理由はまだ聞いていないが、1点目が相手DFにつかまれて倒れ込みながらのシュートだったのに対し、2点目は松尾のスピードと安居のパスがピタリ合って生まれたゴールだった。
一昨年は、序盤に出番がなく、ACLグループステージで5得点したもののJリーグでのシーズン初ゴールは第22節と遅かった。今季は早い時期に1点目が見られるかもしれない。
松尾の2点目の形も素晴らしかったが、2本目に松尾と交代でワントップに入った髙橋利樹のゴールも展開に迫力があった。
後方から持ち上がったセンターバックの井上が、左のワイドに送ると左ウイングの練習生がドリブル。何度かクロスまで行っていたから、今度こそと思っていたら、左サイドバックの大畑歩夢がオーバーラップして練習生からボールを受け取るとフリーでグラウンダーのクロス。走り込んでいた髙橋が確実に押し込んだ。
1本目の左サイドバックは新加入の渡邊凌磨が務めていたが、この大畑のアシストで先発争いが楽しみになった。
髙橋といえば、3本目もワントップを続け、佐藤のゴールの際に強みを発揮した。
14分に右CKを獲得し、アンカーを務めていた武田英寿がキック。ゴール前で髙橋が頭で落とし、後ろから出てきた佐藤が押し込んだ。髙橋のヘディングの高いことといったら空中で止まっているかのようだった。昨季の髙橋はハイボールに対してヘディングは当たるもののタイミングが少し合わず、JリーグでのゴールはG大阪戦の1点だけだった。今季、このヘディングが見られれば、という期待を持った。
長くなるので、印象に強く焼き付いていることだけを挙げた。印象だけでなく、写真にも焼き付いているので(デジタルだけど)、大畑が髙橋にラストパスを送ったシーンを共有しよう。
もちろん他にも気が付いたことがあるし、写真もあるが別の機会に紹介したい。
この後、J2の仙台、J1の名古屋、鳥栖と、練習試合が続く。相手のレベルが上がった中で、どこまで個人の持ち味を出しながらチームとしての色を出していけるか。注目だ。
EXTRA
寒い思いをしておられる方々、すみません。やはり沖縄は暖かいです。
それもありがたいですが、関東のように乾燥していません。この時期になるといつもヒビ割れる指先が、2日で治りました。おかげで痛い思いをしながらキーボードを打たずに済んでいます。
(文:清尾 淳)