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Weps うち明け話 #1030

新日程(2020年6月18日)

 

 新しい試合日程をいろんなものに書き写した。

 リ-グの第1節だけを行い、その後長い中断のあと日程が組み直されるのは、東日本大震災のあった2011年もそうだった。9年前は「節」の組み合わせがそのままで日程が変更されたので、再開された4月24日の試合が第7節になるなど、第18節まではその順序が日付順と一致しなかった。第19節以降は順序が一致していた。例外的にホ-ムとアウェイが入れ替わった組み合わせはあったが。

 

 「節」方式は、試合が分散開催だったり、ACL勝ち上がりや災害などによって1試合だけ日程が先送り(前倒し)になったりしたときには、わかりやすい部分がある。しかし2011年は、各節の9試合すべてが同じく延期になったのだから、新日程が出た時点で節の数字を日付順に付け直しても良かったのではないかと思う。当時は7月に第2節があるなど、やっていて違和感があったし、いま2011年のことを振り返って何かを調べるとき、たとえばシ-ズン前半と後半とか4分の1ずつの傾向を見ようとしたら節ではなく、試合数を勘定しないといけないのだ。

 

 今回の新日程を調べてみると、たとえば再開初戦の第2節として7月4日に行われる浦和-横浜FM戦は、当初は5月23日に予定されていた第15節だった。そして7月4日の他の試合、たとえば横浜FC-札幌は5月3日の第12節、大分-鳥栖は8月15日の第22節だった。また当初、第2節で3月1日に予定されていた浦和-広島は、新日程では8月15日の第10節となっており、同様に「旧」日程第2節の川崎-札幌は第26節、G大阪-仙台は第27節、鹿島-神戸は第10節…、つまり完全な「新」日程だ。今回は延期になった試合が多かったし、スタジアムの手配など大変な部分もあるなど、9年前とは事情が大きく違っているからだろう。

 

 そういう意味では、まったく新しい33試合のリ-グ戦が始まるという気持ちが強い。

 たとえば武藤雄樹はケガのため、2月21日の開幕戦(湘南戦)には間に合っていない。練習には復帰していたし、練習試合でゴ-ルも挙げていたから、3月1日に予定されていた広島戦はどうだったかわからないが、沖縄キャンプではほぼ別メニュ-だったので、その分のハンデはあったはずだ。

 しかし、この4か月の中断期間に、そのハンデはほとんどなくなるのではないか。先日、13日(土)に行われた町田との練習試合で決めた左足ボレ-は素晴らしかったし、それ以外にも武藤らしい嗅覚でゴ-ルに迫った場面があった。練習試合全体では、レッズの良いところがあまり出なかったが、逆に中断前の公式戦2戦2勝に安心せず危機感を持って7月4日を迎えるための材料として、僕はとらえることにした。それが勝点ゼロや1ではなく、3から始まるんだからいいじゃないか、と。

 

 新日程の発表と同時に、2試合は無観客試合だが、3試合目の第4節(レッズはホ-ムの鹿島戦)から5千人を上限として入場者を迎え、さらに8月1日(土)からは入場者の上限をスタジアムの半分にまで上げることが発表された。予想よりも早いタイミングだ。ちなみに一部報道で、「動員」という表現があったが、これは絶対に使い方を間違っていると思う。

 

 チケットの販売方法や対象、その時期など、どんどんル-ルが決定され、発表されていく。応援方法も含め、そのすべてが新しいものだと言ってもいい。新日程の発表は、新しいJリ-グの始まりと言えるかもしれない。それが今季だけなのか、来季も続くものがあるのかはわからないが、少なくとも当面はそれでやっていくしかないのだから、受け身でなく前向きでいたい。もちろん「本来はこうだ」というものは、心の中で握って放したくない。

 そんなことを考えている、再開16日前だ。

 

EXTRA

 上記で書いた、「旧」日程を探すのに本来なら苦労しただろう。第2節が3月1日の広島戦だったことは覚えているが、それ以降となると記憶は定かでない。ましてや他チ-ムの日程などは。

 インタ-ネットによる情報は、ほとんどが新しいものに上書きされてしまうが、2月26日に予定されて延期(実際は中止)されたルヴァン杯松本戦のMDPは印刷寸前まで進んでいたから、そのデ-タが残っている。そのペ-ジを参照して、いろいろ書いた次第だ。

 上書きされずに残っていく、印刷媒体の利点をあらためて見直した。

 

(文:清尾 淳)