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Weps うち明け話 #1033

自分の日常(2020年6月30日)

 

 3月。大原での練習が25日(水)を最後になくなり、今日はそれから3か月と5日ぶりの公開練習だった。

 

 メディア諸兄も以前のように取材エリア内で思い思いの場所に陣取って練習を見るのではなく、カラーコーンでソーシャルディスタンスを取った位置が指示されており、その辺りに1人ずつ居ることが許された。来場順に取材位置まで案内され、そこから基本的に動くことができない。メディア同士も久しぶりに会ったからといって雑談に花を咲かせていると「それじゃあ意味がないから離れてください」と広報担当者から注意の声がかかる。

 広報担当者もやかましく言いたくはないだろう。だが万々が一にも大原由来の感染者を出さないため、そして大規模イベントをこれから開催していく団体として範となっていく責任が社会に対してある。過剰なほど対策を取るのは十分理解できる。ちなみにグラウンドに入るときはあらかじめ書いておいた住所・電話番号入りの問診票を提出し、検温を受ける。取材ADカードは前日までに申請したメディア関係者の分しかなく、以前のように突然の取材は許されない。

 

 前回、練習を見た日は、桜がそろそろ満開になろうかという時期だった。四季とは1年を4つの季節に分けたもの。3か月経てば次の季節に移っていて当たり前だ。今日は新緑の季節をとっくに過ぎて、木々が青々と目に痛かった。「久しぶり」と挨拶しながら、大原に来たこと自体の違和感はなかったのだが、選手たちの背景が最後に見たときとまったく異なることに気がつき、3か月の長さに思いを馳せた。

 

 まず気になったのはグラウンドにいる選手の数。鈴木彩艶を含めて31人いることがわかり、うれしくなった。途中から別メニューになった選手もいたが、今年になって全員がスタートから約30分間、同じメニューでやった練習を何度見ただろうか。再開初戦を5日後に控え、まずその点の準備は上々、と言えそうだ。

 

 次いで選手の色の黒さ。真っ黒というわけではないが、だいぶ日焼けしているように見えた。大原での練習が再開してから日照時間はわからないが、自主練的な日々が続いた後で、思いきり大原で動き回ってきたのかもしれない。ただし3か月前の写真と比べたわけではないので、これは周囲の樹木の変化ほど定かではない。

試合のスタミナは試合でしか付かないと言う選手もいる。公式戦が4か月行われなかった後で、いきなり暑い中での連戦。日焼け度合い=スタミナの強弱ではないけれど、そういう準備もできているのかな、と期待した。

 

 明日の練習も一般には非公開だがメディアに公開される予定だ。また問診票を用意せねば。

 そして今日はこれからテレ記者会見が行われる。

 緊急事態宣言が解除されて、世間では「感染防止対策を取りながら、徐々に日常が戻りつつある」と言われてきた。僕も4度ほど外食した(6月ひと月で)。しかし今日、大原で選手たちの練習を見て、ようやくその言葉を発してもいいかな、と思った。あくまで「つつ」であり、完全に戻るにはだいぶ時間がかかる。だが、この仕事をしていて、チームの姿を見るということが自分の日常の1つなんだと、あらためて感じた日だった。

 

 EXTRA

 今日が「#1033」。今年になって35回目の更新ということになった。

 毎年、沖縄キャンプ中はだいたい更新回数が多くなるが、2月に入ってからも頻度が落ちなかったのは、もちろんMDPがなくて書く媒体が他にあまりないから、ということもあるが、埼玉縣信用金庫さんが昨年末から更新の態勢を強化してくれたからに他ならない。書いたものをタイムラグなく掲載していただいてきたことに、あらためて感謝申し上げます。

 もちろん今後も、その態勢は続けていただけるのだが、7月の3試合はウェブ上でとは言え、MDPがあるので、これほど頻繁には難しいかもしれない。

ただ、週に最低1回は更新というサイクルをほぼ守れた習慣は、極力なくしたくない。コロナ禍の中で、一番僕が身につけたものと言えば、そのことかもしれない。

 

(文:清尾 淳)