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Weps うち明け話 #1038

厚顔無恥(2020年7月31日)

 

 厚顔無恥とは決して褒められる態度ではないし、自分もそうならないよう、そう見られないように気を付けている(つもりだ)。

 だが試合中の選手は厚顔無恥であってもいい場面がある。

 

 たとえば7月22日(水)の柏戦で、前半に先制点を決められた後の西川周作だ。

 あのシーンは、西川がバックパスされたボールを柴戸に送ったところを狙われ、奪われたところからシュートを決められた。相手の状況がよく見えているはずの西川のミスだと言える。

 サッカーはミスが付き物のスポーツ。時には直接失点につながるミスもある。

 西川は周りの選手がミスを犯してもほとんど叱らない。そこから失点しても「自分が止めていれば」と考える選手だ。敗戦からも次につながる部分を必ず見つける、「超」が付くポジティブ思考の持ち主だ。

 

 しかし、この前のFC東京戦でも、クロスに対して西川がパンチングでクリアしたところ、相手への絶好のパスになってしまい、先制点を奪われた。その直後の柏戦だっただけに、ミスからの失点に平然としてはいられなかったのかもしれない。自分のプレーはともかく、味方への声掛けの部分で影響があったのではないだろうか。その後の3失点は、いずれもいつものレッズなら何とかしていたはずの展開からだった。もしかしたら他の選手も「連敗はしない」「ホームでは勝つ」と意気込んでいたところへミスから先制されたことで、メンタル的な変化があったのかもしれない。

 

 西川の名前だけを出させてもらって申し訳ないが、全選手に言えることだ。

 試合中はミスしても厚顔無恥であれ。

 人間だから感情が出てしまうかもしれないが、試合中はそれをコントロールして、反省や謝罪は試合が終わってから、それもできればミスを取り返す活躍をしてからやればいい。

 

 これも一流選手に必要な要素だと思う。

 

(文:清尾 淳)