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Weps うち明け話 #1039

比較的公平だと思う変更(2020年8月5日)

 

 

 2011年はナビスコカップがトーナメント方式に切り替えられた。あのときはまだ1試合も消化していなかったから、それでも公平性を保てたのだろう。

 

 今回は、グループステージの第1節を行った後だから、大幅に組み替えるわけにいかず、グループステージを1回戦総当たり制にし、プレーオフステージを取りやめ、プライムステージも1回戦制にするという、大筋を変えず簡素化するという変更になった。

 グループステージもプライムステージもホーム&アウェイでないところは、若干アンバランスだと思うが、過去にもそれはあったし、残りの期間で決勝までを行うにはギリギリの試合数だろう。

                                     

 鹿島がACLプレーオフで敗れたので、4グループから5チームを選び出す、やや変則的なグループステージなのは、コロナの前から決まっていた。

 しかしコロナ後の大会方式変更で松本山雅が残りの試合を行わなくなったため、レッズが入るBグループは少し面倒くさいことになっている。

 

 Bグループの残り試合は明日のC大阪vs浦和、来週12日(水)の仙台vsC大阪の2試合だ。松本と未対戦のレッズとベガルタには勝点3が与えられる。勝点3と言えば勝利チームが得るものだが、勝利したら必ず「+1」以上あるはずの得失点差はプラスされない。

 

 明日のC大阪vs浦和が引き分けに終わり、第3節の仙台vsC大阪でセレッソが勝ったら、レッズとセレッソが勝点7で並ぶ。規定によると当該チーム同士の対戦成績で上位を決めることになっているが、ドローだからこれでも差は出ない。グループ内全試合の得失点差が比べられることになり、レッズの+3に対して、セレッソは+4以上(松本に勝ったときの+3と、ベガルタに勝ったときの+1以上)となる。そうなるとセレッソがグループ1位、レッズはグループ2位で他のグループ2位チームと勝点や得失点差を比べることになる。

 

 アクシデントがあって途中まで行われた大会の規定を変更するのは難しい。どのチームも納得いく方法はなかなか見つからないだろう。特に今回はグループB内の順位だけではなく、グループ2位同士の比較が関わってくるから複雑だ。

 まずJ2の日程が厳しいから松本が大会参加チームから外れるというのはやむを得ない措置だと思う。

 だったらC大阪が松本から挙げた得失点差+3もゼロにして勝点3だけを生かすべきだというのも正論だ。しかし、それでは4-1と大勝したセレッソが納得できないだろう。それで変更後の大会規定では「松本は第2節以降の試合を実施しない」という「第1節は有効だよ」ということがわかる表現にしているのだと思う。

 一方、レッズと仙台からすれば「不戦勝なんだから、慣例では3-0だろう。勝点3と得失点差+3が与えられるべきだ」という主張に根拠がないわけではない。百歩譲っても「勝ち扱い」なんだから得失点差+1はあるべき、というのが落としどころに思える。

 ところが他グループのクラブは、2位チーム同士の成績比較になった場合を考えれば、レッズと仙台が労せずして勝点3を得るなんて、黙って見ていられない。試合をしていないのだから、引き分けの勝点1が妥当ではないか、という主張をしてもおかしくはない。

 

 今回の変更は、いくつかの選択肢の中で、比較的公平に近いように思える。最終的な結果によって、文句を言いたくなるチームが出てくるかもしれないが、今季だけのやむを得ない変更だと思うしかない。

 

 レッズが後で不満を口にしないで済むようにするには、今日C大阪に勝つことだ。そうすればプライムステージ進出が決まる。

 リーグ戦でも毎試合先発の顔ぶれが変わっているのだから、1日の清水戦から替わるのは当然だが、さらに大きな変更があるのか。今季初先発の選手はいるか。

 またおそらく試合後は浦和に戻らず土曜日のリーグ名古屋戦に備えるのだろうが、C大阪戦の内容、結果、出場選手は、その名古屋戦にも影響を及ぼすはずだ。

 

 今季ここまで最も遠くで行われる今日の試合は、いろいろなものを包含した一戦になる。

 

(文:清尾 淳)