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Weps うち明け話 #1040

きょうの試合は見るしかないが(2020年8月12日)

 

 

 あ、そうだった。

 

 ルヴァンカップグループリーグ。レッズは8月5日、C大阪に負け2勝1敗得失点差+2で終了した。C大阪が最終節で仙台に勝つか引き分けると勝点7以上でグループ1位。C大阪が仙台に負けてもレッズと同じ勝点6で、当該チーム同士の直接対決でC大阪がレッズに勝っているから、どちらにしてもレッズの1位はないな、と思っていた。

 

 しかしC大阪が仙台に負けるということは、3チームがすべて2勝1敗の勝点6で並ぶわけで、「当該チーム」というのはレッズとC大阪だけでなく仙台も入る。この3チーム間の勝敗はすべて1勝1敗になるから「勝点が同一のチーム同士で行った試合の勝点」は「3」で差がない。そして次の要素「勝点が同一のチーム同士で行った試合の得失点差」を比べると、C大阪が松本に勝った4-1というスコアは該当しなくなるから、レッズは+2、C大阪は現在+1、仙台が-3ということになる。

 つまり12日(水)の仙台ーC大阪戦で、仙台が5点差以上で勝てば仙台が1位、4点差以内で仙台が勝てばレッズが1位、引き分けかC大阪が勝てばC大阪が1位ということになる。レッズにも1位通過の目はまだあるのだ。

 またグループ2位同士の成績比較による決勝トーナメント進出の道も、少ないが可能性はある。いずれにしても他力だが、今日は他チームの試合結果を非常に気にしながら過ごす夜になりそうだ。

 

 ただ、そんなことより8日(土)の名古屋戦の負けからどう立て直すのかが急務だ。

 チャンスを作りながら、ミスから失点したことでメンタル的な動揺がその後の試合に影響を与え、敗戦につながったFC東京戦と柏戦。

 攻勢を取りながら先制点あるいは追加点が取れず、終盤にスキを突かれて失点した清水戦、ルヴァンC大阪戦。

 再開後の勝てなかった4試合を、乱暴だがそんな風に分けていた。

 だから、攻勢の時間帯にいかに点を取るか。そして、たとえ失点してもメンタルを落とさず(厚顔無恥に)試合運びに影響させないこと。さらに試合終盤まで守備の意識を低めないこと、特に攻撃していてボールを失ったときのファーストディフェンスが大事。この3点がポイントだと思っていた。

 

 しかし名古屋戦は、まず攻勢の時間が短く、早い時間に失点してしまった。

 失点はオフサイドかと思ったがVARがない以上(あってもレッズに有利に働いたためしがないが)、どれだけ抗議しても仕方がない。それより、その後の失点の仕方が心配だ。2失点目はあきらかに1失点目がまた精神的な悪影響を及ぼしていたように思うし、失点が重なるにつれて戦う気持ちが削り取られていくように見えて悲しかった。

 ハーフタイムに3人替えをして後半開始早々に1点を返し、文字どおり心機一転。たとえ残り4点追いつけなくても、後半失点せずにできればもう1~2点取れば敗戦以上のダメージは少なくなるだろうし、あわよくば引き分け以上も…と思っていたのだが、直後に失点。それも前半の多くの失点と同じような形でのやられ方だった。

 それでも31分に2点目を返したところは意地を見せたと思うが、6失点目の精神的ダメージを払拭するには、さらに得点が必要だっただろう。

 

 試合の流れを途中で変える。逆に変わりそうな流れを変えない。ベンチからの指示や選手交代によって、そのメッセージが発せられることが多いが、やるのはピッチにいる選手たち。選手たち自身の考えでそれができることがベストだ。一人では難しい。きっかけは一人のプレーや声であっても、それで全員が同じ方向を見ること。戦術に習熟することや個々のスキルアップ、フィジカルの向上などと併せて、勝っていくにはそういうチームになることも重要だ。

 

 今は感染予防措置で、試合後の選手たちに直接話も聞けないし、練習の後もそれは同じ。

 名古屋戦とはどう違うチームになっているか、15日(土)の広島戦で見せてもらいたい。

 

 今日行われるルヴァンカップ第3節の結果に関して、レッズは何も影響を与えることができない。グループステージ突破を祈るだけだ。

 だが広島戦は、自分たち自身で今の難しい時期を切り拓ける機会なのだから。

 

(文:清尾 淳)