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Weps うち明け話 #1055

溜まっていませんか(2020年12月15日)

 

 親しい友人に背中を押されて今年の7月からYouTubeを始めた。

 週に2回ずつ公開してきて、今日で44回目を数える。基本的に僕が見聞きし、体験してきた浦和レッズの歴史を残しておくためのものなので、たまに番外編も交ぜながら、レッズの創成期から始まり時代を下っている。今は1995シーズンの話が終わりに近付いていて、今日公開される(された?)のは福田正博選手がJリーグ単独得点王に輝いた日の話だ。

 

 95年と言えば、レッズの歴史の中でもいろいろなことがあったシーズンだった。

「福田正博がJリーグ初の日本人得点王に」をはじめとして、「初の外国人監督ホルガー・オジェックが就任」「大宮サッカー場でホーム6連勝」「2年連続最下位だったレッズがステージ3位に躍進」「駒場スタジアムがリニューアルオープン、2万人収容に」「サポーターの応援アイテムにデカ旗が登場」など枚挙にいとまがない。

 良いことばかりではなく、駒場で味方へのヤジが非常に増えた、とか、自由席の応援をめぐって意見が対立(立つか座るか)、などもある。そして選手によるサポーターへの暴行事件も起きた。

 

 YouTubeの話に戻るが、先日収録した47回目(25日公開予定)のテーマは「95年のMDP」で、いろんなことが起きたこの年は、MDPへの投稿が非常に増えて、水曜日の試合が終わってアウェイから会社に戻ると(日帰りの場合)、土曜日のホームゲームに向けた投稿のFAX感熱紙(!)がヤマになっている。なるべくたくさん載せようとするあまり、文字が非常に小さくなった、ということも話した。

 今は個人が情報や自分の意見を簡単に発信できる時代だが、当時はほとんどそういう場がなかったから、水曜の夜中から木曜の朝にかけてFAXすれば土曜の発行物に意見が掲載されるMDPは貴重な存在だったはずだ。

 

 その第47回の収録を終えて、今度の札幌戦で発行するMDP598号の編集作業に戻ったとき、ふと思った。

 もし今も、レッズサポーターの声をしっかりと掲載する媒体がMDPしかないような時代だったら、と。

 

 4-4-2への移行。開幕公式戦2連勝。コロナ禍による試合中断。自粛期間中に選手たちが行った社会貢献。再開後の無観客試合。上限5千人体制。そして好調に見えたチームが、大敗も喫しながら徐々に上位との差が開いていく状況。来季のACL出場なし。監督交代決定。そして最終節…。

 1995年のようにみんな言いたいことがヤマほどあるはず。しかし、MDPは発行されていない。

 みんな溜まってるんだろうな。

 

 実際には、今季のいろいろなことに関する意見は、みんなすでにあちこちで発散していて、「腹ふくるる心地」にはなっていないかもしれない。

 しかしMDP598号は、2020年にレッズ周りで起こったことを、極力まとめた総集編的な要素も持っている。10か月分、は大げさかもしれないが、それくらいの精力を傾けているつもりだ。サポーターの意見もその要素の一つになるはず。

 

 MDP598号の投稿ページは今日からまとめはじめる。水曜日の夜から木曜日の朝にかけてMDPに届くメールを開くのが楽しみだ。今は感熱紙じゃないから管理も楽だし。

 

EXTRA

 上記のYouTubeをのぞいてみたい人は「清尾淳のレッズ話」で検索をどうぞ。

 

(文:清尾 淳)