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Weps うち明け話 #1060

2020シーズンの締め(2021年1月5日)

 

 

 毎年、この時期には同じようなことを書いているかもしれないが、1月3日(日)から大阪の堺に来ている。

 JFA第24回全日本U-18女子サッカー選手権。ときどき名称が変わるのだが、2009シーズンに一度だけ浦和レッズレディースユースが優勝した大会である。当時は高校の女子サッカー部も参加するU-18年代女子の王者を決める大会で、レディースユースは準決勝で藤枝順心高校を、決勝で常盤木学園を下して優勝した。

 しかし今は全国高校女子サッカー選手権が1月に「全日本」高校女子サッカー選手権として開催されるようになったため、高校チームの参加はなく実質的にクラブチームの大会になっている。

 

 レッズレディースは関東予選で敗退したシーズンも何年かあるが、全国に出場した年はほぼベスト4まで進んでいる。

 だが頂点まで登ったのは2009年の一度だけで、あとは決勝または準決勝で敗れており、準優勝が4回、3位が4回、4位が1回となっている。毎回、今年こそ、と臨んでいるのだが最後の壁がなかなか越えられないでいる。U-15の大会では最多7回の優勝を誇っているだけに残念だ。ちなみに現在レッズレディースに在籍している育成出身の選手で、09年の優勝を経験しているのは池田咲紀子と加藤千佳だけ。あとの選手たちはみんな高校生時代には「うれしいお正月」を経験していないはずだ。

 

 今回も1回戦、2回戦を順調に勝ち上がり、5日は翌日の準決勝に備えて休息日となっている。

 準決勝の相手はノジマステラ神奈川相模ドゥーエ。もう一つの準決勝はジェフユナイテッド市原・千葉レディースU-18対日テレ・東京ヴェルディメニーナ。ベスト4がすべて関東のチームになったのは初めてのことで、関東のレベルの高さを示すものだと思うが、同時に4チームすべてがなでしこリーグ所属チームの育成チームでもある。これは近年よく見られる傾向だ。

 

 今年からレディースユースの指揮を執る楠瀬直木監督に、4日の2回戦終了後、話を聞いた。

 

 まず、2回戦では先発メンバーを前日の1回戦から6人入れ替えた。さらに途中出場も含めて2試合で21人の選手をピッチに送り出している。このことについては「今年は大会の多くが中止や縮小になった。2試合でほぼ全員がピッチに立てたので、選手たちも緊張と楽しみをプラスしたものを味わえたはず。こういう年代なので、まずピッチに立たせたい、それも先発で立たせたいと思っていた。なので早めにメンバーを発表して、試合に向かう準備をさせたいと当初から思っていた。」ということだった。

 また2試合で、あるいは試合の途中でポジションを替える選手が少なくなかったが、「複数のポジションを普通にできることで、アクシデントがあっても動揺せずに対応できるようになるし、選手個人の能力を引き出すためにも必要なこと。それぞれ、まだまだ可能性があると思う。」という意図を説明してくれた。

 そして準決勝以降の戦いについて「ここから相手も強くなってくる。残った4チームはすべて関東のチームで、お互いに手の内はわかっている。まずは準決勝の相手、ノジマも強敵なのでここに集中して勝ち抜きたい。昨年末はレディースのトップもジュニアユースも惜しいところで優勝できなかった。残された我々がぜひタイトルを持って帰りたいと思っている。」と抱負を語った。

 

 浦和レッズの2020シーズンはこの大会が最後となる。

 昨年末に優勝を期待されたレッズレディース(皇后杯準優勝)、レッズレディースジュニアユース(全日本U15女子選手権準優勝)、レッズジュニアユース(高円宮杯U-15選手権ベスト4)があと一歩、二歩届かなかったタイトルを手にして、苦しかったシーズンを明るい話題で締めて欲しい。


EXTRA

 あけましておめでとうございます。ご挨拶が後になりました。

 2021年も、MDP(浦和レッズ・オフィシャル・マッチデー・プログラム)、YouTube(清尾淳のレッズ話)と共に、このコラムをよろしくお願いします。なるべくペースを乱さずに書いていく予定です。また今年は、いろいろなことをレッズファン・サポーターのみなさんに提案したり、投げかけたりすることもやっていきたいと考えています。ご注目ください。

(文:清尾 淳)