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Weps うち明け話 #1067

「開幕先発」まで同じ道をたどるか~相模原戦から・その1(2021年2月15日)

 

 2月13日(土)に行われたSC相模原との試合がYouTubeチャンネルでライブ配信されたのは非常にうれしかった。

 なぜなら、何の気兼ねもなく試合の内容について書いたり、人と話したりできるからだ。

 沖縄キャンプで行われた札幌との練習試合は、メンバーや選手の配置はNG、得点者と得点時間はいいがアシスト者や詳細な展開はダメとされた。

 非公開よりは見せてもらえただけありがたかったとも言えるが、そこまで発信を制限されるなら、鳥栖との練習試合も見せてくれて良かったのではないか、と今さらながら思う。まあ、相手の意向もあっただろうから、仕方がない。

 

 で、相模原との試合。

 昨日、14日にサポーターとのオンラインミーティングを昼と夕方の2回行い、20人ぐらいの人から試合の感想を聞くことができたのだが、みんな口をそろえて「サッカーが面白くなった」と言う。マイボールのときにあまり遅滞なくパスを回す。それも前に前にという意識が見えて楽しかったとする人が多かった。これからどんどん戦術が浸透していくのが楽しみと、みんな期待感を表明していた。なかには、去年のレッズレディースの試合に似ていて、親近感があったと言う人もいた。選手の動きがフレキシブルで、観客をワクワクさせてくれそうだ、と。

 また、「だいぶ前から徳島のサッカーが好きで、リカルド・ロドリゲス監督を“強奪”できないか、と息子と話していた」と明かす人がいた。先見の明、では言葉が足りないくらい、すごい話を聞いた。表現は物騒だったが。

 

 目立った選手では伊藤敦樹の名前を挙げる人が多かった。

 僕が彼のプレーで「おっ」と思ったのは、1試合目の前半39分、阿部からパスを受けてすかさず前線の武藤へ縦パスを送ったシーンだ。武藤が絶妙なタッチで相手DFと入れ替わり、右クロスを入れた。シュートを狙った明本より一瞬早く相手DFが触ってCKになったが、ゴールが生まれていてもおかしくなかった場面だ。

 そのCKから伊藤敦樹自身の先制点が生まれたわけだが、得点したことはもちろん、チャンスの起点となるパスを送ったプレーがボランチとして素晴らしかった。伊藤涼太郎がいるから、今後は敦樹と呼ばれることになるだろうが、“採点簿”の敦樹の欄に二重丸をつけたファン・サポーターは多かっただろう。この試合のファーストシュートも敦樹だった。

 

 4割近くの選手が入れ替わった今季、得に複数の選手がチームを離れたボランチのポジションが心配されていた。しかし敦樹のほか、この試合で完全復活をアピールした“大黒柱”の阿部を始め、第2試合に出場した金子大毅、そしてケガのためプレーしなかった柴戸海。俄然、ボランチのポジション争いが熱を帯びてきた感がある。

 もしも敦樹が開幕に先発すれば、2010年の宇賀神友弥以来の「大卒新人の開幕先発」となる。「レッズジュニアユース→レッズユース→流経大→特別指定→レッズ」という、宇賀神と同様のコースをたどってきた敦樹が「開幕先発」まで同じ道を歩めるか、注目だ。

 

(文:清尾 淳)