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Weps うち明け話 #1101

ヤマの試合(2021年9月30日)

 

 ヤマと呼ぶにふさわしい状況になった。

 10月2日(土)のJリーグ第31節、ヴィッセル神戸戦。 

 昨日、神戸が負けたことにより勝点は同じ54。勝てば順位は逆転できる。点差と名古屋の勝敗によっては3位の可能性もあるが、タナボタは計算に入れたくないし、名古屋は1試合多く消化しているから、どうなっても暫定順位になる。

 それよりも自分たちの力で乗り越えるべきヤマがある。

 

 まず、今季3度挑戦して果たせなかったリーグ戦4連勝が懸かった試合。4連勝にハットトリックのような称号があるわけではないが、リーグ戦において簡単なことではないのは確かだ。

 ここまで4勝目が阻まれたのは第10節のアウェイC大阪戦。押し気味に試合を進めながら相手のワンチャンスと言っていい場面で決められ0-1で敗れた。

 次は第16節のアウェイ広島戦。2-1で九分通り勝っていた試合だったが、後半アディショナルタイムにミドルシュートを決められ追い付かれた。

 3度目は再開後の第27節アウェイ湘南戦。チャンスを作りながら点が取れなかったが相手の勢いにも負けずスコアレスドローだった。

 いずれも「タラレバ」を言いたくなるような惜しい試合だった。ノックアウト方式で敗退したときのタラレバは単なる後悔でしかないが、リーグ戦のそれは後に教訓として生かすことができる。4連勝の“壁”を破ってチームが成長していることを示す試合。それが次の神戸戦だ。

 

 神戸との関係でもヤマだと言える。

 まずレッズはノエビアスタジアムであまり分が良くないという印象がある。たしかに「神戸ウイングスタジアム」時代から通算して4勝2分け8敗と負けが多い。ただし、ここ7シーズン、つまり神戸がJ1に復帰した2014年から昨年までの勝敗は3勝1分け3敗と五分だ。今回で勝ち越したい。

 また今季リーグ戦で6敗している神戸だが、同じ相手に1分け1敗(川崎)はあっても2敗はない。1敗した相手で今後2戦目が残っているのはレッズと名古屋だけ。今年は神戸を2タテしたいし、その後に当たる名古屋には勝ってもらいたい(笑)。

 当然、神戸の側に立てば2タテはごめんだろうし、レッズはルヴァンカップで苦杯を舐めさせられた相手。今季公式戦で勝ちなしは絶対に避けたいだろう。もちろん、3位争いでの重要な局面だというのが最大のモチベーションには違いない。お互いに。

 

 それにしても9月18日(土)のC大阪、25日(土)のFC東京に続いて、相手チームだけ水曜日に試合があるという日程が3週続いている。中6日vs中2日、選手の回復度に関してレッズに有利な条件が3試合続くというのは珍しい。2ステージ制だった2016年にはACL出場の関係で延期になった試合をステージ内で消化するために、ポンポンと水曜日入って来て第1ステージの終盤が5連戦という日程になり、なんでこんな目に遭うんだ!と思った記憶がある。それに比べて何とありがたいことか。

 毎週1回の試合日程がありがたいのは、疲労からの回復だけの話ではない。練習時間が取れるときには、何か新たなことをチームに植え付けられる。あるいは選手の組み合わせをいろいろ試すことができる。そういうことをリカルド監督はやってきているようだ。その成果を今度の土曜日に見ることができるかもしれない。

 

 今季のヤマになった神戸戦。勝って欲しい。

 

(文:清尾 淳)