1. TOP
  2. Weps うち明け話

Weps うち明け話 #1129

11人で戦うことが前提だが(2022年4月8日)

 

 3試合連続PKによる得点。これ自体は良いが、2試合連続PK以外での得点がないのは困る。

 札幌戦はPKで先制してから前半のうちにビッグチャンスが3度あったがモノにできなかった。

 清水戦はPKの前に何度かチャンスがあったが決められなかった。

 磐田戦ではPK以外に3点を取れたが、また磐田戦の前に戻ってしまったようだ。毎試合失点ゼロがベストだが、1点は覚悟しておかなければならないとすれば、やはり2ゴールは必要だ。実際、鳥栖戦から4試合連続1失点に抑えている、という言い方もできる。今の課題は引き続き決定力ということになる。“ケチャップ理論”はまだレッズに適用されていない。

 

 それも依然として何とかすべきだが、もう一つ気になるのは、人数のバランスが崩れてからの試合の進め方はどうなのだろうと思う。

 今季は神戸戦、G大阪戦、清水戦と3試合でレッズが10人になっており、札幌戦で相手が10人になっている。リーグ戦9試合のうち4試合で、どちらかに退場者が出ているのは多い。

 そして、その4試合いずれも望む結果が得られていない。

 

 もちろん10人になって有利になることはないからやむを得ない部分もあるが、たとえば神戸戦は、かなり引いて守った結果、イニエスタを自由にプレーにさせてしまい、そのパスから同点ゴールを与えてしまった。

 

 G大阪戦は、完全に主導権を握っていたが点が取れないまま試合の後半38分に10人になり、そのFKからの流れで失点してしまった。10人になった直後のリスタートをしっかりケアしておけば、最悪でも勝ち点1は取れたのではないかと思っている。

 

 札幌戦は1-1になってから、残り15分ぐらいで相手が10人になった。勝ち越すに十分な時間ではないが短くもない。札幌がセオリーどおり時間稼ぎに出てきたので、やりにくかったかもしれないが、あまり数的優位を生かした攻撃を仕掛けられなかったと思う。バイタルでパスを回しているうちに、誰かがフリーになれるチャンスが来たらラストパスなりシュートなりにいけば、もっと得点の可能性が広がったのではないかと思っている。終了間際の江坂のシュートのような場面をもっと作りたかった。

 

 そういう意味では、直近の清水戦は10人になってから、まだ1-0の時間帯に松尾のヘディングシュートや、宮本のクロスからモーベルグのシュートなどがあり、守り一辺倒ではなかった。あのショートCKからの失点さえなければ、10人で守り切るか2-0になるか、とにかく勝ち点3を得ていたのではないかと思われる展開だった。1-1になってからも関根のボレーシュートというビッグチャンスもあった。

 ただ清水戦では、退場者を出さない対策、つまり前半に警告を1度受けていた敦樹を交代させるオプションはなかったのか、と悔やまれる。リカルド監督もそれは選択肢にあったとのことだが、敦樹の攻撃力や人への強さを惜しんだようだ。控えに柴戸や平野が入っていれば、迷わず交代させたかもしれない。個人的にはルーキーの安居も攻撃力はあるし、人にも強いと思うので、見たかったのだが。

 

 相手の陣形やストロングポイント、試合の進め方などにより、選手の位置取りや戦い方を変化させることはチームとしてやってきたし、リカルド監督の適切な指示があると思う。

 ただ人数のバランスが崩れた試合でどうするか、というのは4試合を見る限り、あまりうまくいっていない。昨季は、退場者はおろか警告累積による出場停止もなかったことを思えば、今季は早くも3試合で10人になっている。これからも可能性はあるのだから、この経験を生かした試合運びを期待したい。

 もちろんレッズに関しては誰も退場者が出ないことが一番なのだが。

 

(文:清尾 淳)