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Weps うち明け話 #1142
肝に銘じたいこと(2022年8月22日)
浦和レッズのオフィシャルサイトの「サイトメンバーズ」に、今日のACL準々決勝BGパトゥムユナイテッド戦に向けたコラムが掲載されている。「ピッチ内外で高まる勢いと一体感。最大限の力で準々決勝へ」と題するもので、内容的にはまったく同感だ。
多くの選手に、そして浦和レッズを見る者にも共通している思いは、「リカルド体制になって以降、一番良い状態でACLノックアウトステージに臨めている」ということではないだろうか。
伊藤敦樹は「今季、なかなかうまくいかない時期もありましたけど、そういう中でもやり続けてきたから今があると思います。去年からいろいろな経験をして、今は良い状態にありますし、自分も結果に絡めるようになってきました。チームとしても個人としても充実感はあります」と今の状態について語っている。
小泉佳穂も「今は、相手の状態を認識して、それに対応するのが速いです。それが良い傾向だと思います」とチームを分析している。
大久保智明も、サイトメンバーズにあるように「中2日なので疲労回復をしっかりしてパフォーマンスを上げるのが一番大事。それはチームの調子が良いから言えること」と語っている。
そして小泉は、さらにこうも言う。
「いま、勝った試合では、先制してリードを保って、追加点を挙げて勝ちきるという、理想的な展開ができています。だから、いつもどおりやれればいいんですが、もしもそこから外れたときに、どうするか、というところでチームとしての地力、成長が問われると思います。そういう状況にならないに越したことはないですけど、もしそうなったときにブレずにやれることが大事だと思います」
一発勝負。初対戦の相手。他国のレフェリー。
不確定要素はある。描いたゲームプランどおり進むとは限らない。事故的に先制されることだってあり得る。
そんな事態を決して見たいわけではないが、万が一そういう展開になったときに、レッズがどう対応してどういうふうに打開していくか、というのは楽しみでもある。楽しみ以上にハラハラするのだが。
ACL準々決勝を勝ち抜けばミッション終了、ではない。
すぐに準決勝があるし、ヴィッセル神戸にしろ全北現代モータースにしろ、厄介な相手であることは知っている。
さらに、その後はルヴァンカップのタイトルに向けた戦い、そしてリーグ戦の残り9試合で首位との勝ち点13差をどこまで詰められるか、という戦いが待っている。
たしかに今は、昨季以降一番良い状態にあるレッズだが、これが終着点でないことは明らかだ。
小泉はよく「停滞は後退だと思う」と口にする。今回も、そう言った後「常にチャレンジし続けて、新しい課題を楽しめたらいいなと思っています」と続けた。
そして、こう結んだ。
「そこは肝に銘じたいです」
埼スタを会場に、しかも一部エリアとはいえ声出し応援ができる、というのは浦和レッズにとって最高のアドバンテージだ。
運営スタッフも、すこしでもいつものホームゲームに近づけるような努力をしている。ホームゲームではない試合で、ホームと同じにするというのは、ふだんに倍するエネルギーが必要だろう。しかも「いつもと同じ」だから逆に、選手やサポーターに気づかれにくいという報われない努力なのだが、それをやっているのだ。
それでも、試合では何が起こるかわからない。
そんなとき、レッズがさらに強くなっているための課題だととらえて、乗り越えるための声と拍手を送って欲しい。
肝に銘じて。
(文:清尾 淳)