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Weps うち明け話 #1161

フェンス越しに見えた旗(2023年2月15日)

 

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 2月13日(月)は、レッズの練習公開日だった。

 先週、6日の公開日には3年ぶりということもあって、300人以上のサポーターが大原サッカー場を訪れた。

 

 一昨日は、冷たい雨が降っているということもあり、それよりは少なかったようだ。

 人数がよくわからなかったのは、練習がクラブハウスから遠い方のB面ピッチで行われたため、クラブハウス前のスタンドではなく、グラウンドの周りでフェンス越しに見学している人がかなりいたからだ。

 ザーザー降りではなかったが、それでも1時間以上立っているのは快適なことではなかっただろう。

 

 コロナ禍でも、REX CLUBの会員を対象に何度か練習見学デーが実施されたが、そのときはスタンドでの見学だったので、このフェンス際にサポーターが並ぶのを見るのも久しぶりだった。雨と重なって先週よりも心を動かされた。

 

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 ふと見ると、青地に黄色の十字が見えた。スウェーデン国旗を持っている人がいたのだ。

 ダヴィド・モーベルグ。

 去年3月19日、ジュビロ磐田戦の後半にJリーグデビューすると、すぐに素晴らしい左足のゴールを決め、一躍人気者になった。アウェイのヴィッセル神戸戦では、拮抗した展開の中、90分というシビれる時間帯にフリーキックを直接決め、レッズにシーズン初のリーグ戦連勝をもたらした。

 

 シーズン後半はケガもあって出場機会が減り、期待された活躍はできなかったが、人に明るく接する彼は、試合での結果が悪かったり、欠場が続いたりするときでも愛想が良い。そのことは、じわっとサポーターにも伝わっているに違いない。

 

 去年、デビュー戦ですでにスウェーデン国旗が複数スタンドで舞っているのを見て「まさか自分の国の旗が振られているとは思っていなかったので、ものすごくうれしかった」と語っていた。他国でプレーする選手にとって、自国の旗を見ることは大きな力になるのだろう。

 そう思って、練習中に写真を撮っておいて、後でモーベルグに見せた。

 

 これ、気づいてた?

「ああ、知っていたけど、練習中だったから、あそこへ行くことはできなかった。うれしかったよ。ありがとう」

 

 ちなみに直接の会話なので、少しあやしいが、趣旨は間違っていないはず(だと思う)。

 

 モーベルグが東京戦で活躍したら、スウェーデン国旗を持っていた彼(たぶん男性)の喜びはひとしおだろう。

 

(文:清尾 淳)