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Weps うち明け話 #1170

5点のメッセージ(2023年6月8日)

 

 久しぶりに人前でしゃべった。たぶん大丈夫だったと思うし、そもそもボロが出るほど長くはしゃべらなかった。

 

 6月7日(水)、さいたまスーパーアリーナで行われた「さいしんビジネスフェア2023」の「浦和レッズ✕埼玉縣信用金庫パートナーシップ30周年パネルディスカッション」に出演させていただいた。水内猛さん、岡野雅行さん、笹井千織さんらがメーンだったので、気は楽だった。

 

 その中で、さいしんさんがファン・サポーターから応援メッセージを募集し、その中から5点を優秀賞として、このイベントの中で披露したのだ。俳句や川柳ではなく、メッセージに優秀賞というのはあまり聞かないので、逆に当日が楽しみだった。

 で、発表されたのが、この5点。

 

「30年前から応援してます。一生レッズサポします!We are REDS!」

「気持ちが落ち込んだ時も『浦和レッズ』と口ずさむと、自然と勇気が湧いてくる。そんなレッズが大好きです。」

「野球をやってますが、ずっと浦和レッズを応援してます。むしろ、レッズしかよくわかりません。これからも応援してます。」

「悦びも哀しみも常に共に闘ってきた30年。世界に誇れるCLUBへ次の30年も共にReds Go!」

「連続最下位、降格、天皇杯連覇、ACL最多優勝、だから、好きにならずにいられない。」

 

 他のメッセージを見ていないのだが、どれもうなずけるものだ。

 でも僕は、この5点が優秀賞というよりは、この5点セットで優秀賞なのかな、と思った。

 

 30年間ずっと応援していて、これからもそれは変わらない。

 ふだんの生活というよりも生きることを後押ししてくれる存在。

 サッカーファンでもないけど、レッズファン。

 アジアから世界を目指す。

 どん底も頂点も味わった。だから好き。

 

 それぞれ少し違うファン・サポーターの心情を表していると思う。レッズサポーターのほとんどの人が、この5点のメッセージのどれかに共感するのではないかと思う。もちろん1点だけとは限らない。

 だから、この5点をセットにして優秀賞とするのには大賛成だ。このコラムで書くとわざとらしいが、埼玉縣信用金庫さんも、30年ずっとレッズのパートナーとして共に歩んできただけに、完全にファン・サポーター目線になっているのだと思う。

 

 だいぶ前だが、キリンビール埼玉支社さんが、ファン・サポーターから「レッズと私」というタイトルで手記を募集し、それをまとめた冊子を発行してくれた。スタジアムで無料配布されたから持っている人も多いだろう。

 昨日のイベントの帰り、またあの冊子を出せないかと思った。今度はもっと多くの人から手記が集まるだろうから、冊子では済まず書籍ぐらいになるだろう。そうすると、決まって「印刷物ではなく、ウェブで」という声も出てくる。だがモノとして残すことに価値があると、66歳の僕などは思ってしまう。

 

 どうやってやるか、方法は考えなくてはならない。

 だが、材料には事欠かないはずだ。ファン・サポーター一人ひとりの人生、生活がテーマになるのだから。

 

(文:清尾 淳)