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Weps うち明け話 #1180

あと2日(2023年11月2日)

 

 JリーグYBCルヴァンカップ決勝まであと2日。

 

 これほど、そのシーズンによってレギュレーションが変わる大会はない。

 前年ならグループステージ敗退だった成績でも今年は突破できる(実話)。以前なら2試合合計同点で延長だったノックアウトステージ第2戦が、アウェイゴール制によって決着がつく。それがまた今年からは延長になった。

 またACLに出場するかどうかでグループステージの有無が決まるし、代表日程が重なれば、そちらが優先される。

 「超」がつくフレキシブルな大会だ。

 

 一時期は、重々しさがないな、と思ったこともあるが、この超フレキシブルさゆえに31回も続いてきたのだろう。もしかしてリーグ戦の試合数が多すぎて、Jリーグカップがなかった1995年も、工夫すればできたのではないか。選手の負担を無視して言っているが。

 超フレキシブルさがあったから、ルールやシステムを先行して試すことができ、その結果によって、以降も採用またはJリーグでも導入、あるいは1回で取りやめ、ということができた。そして各クラブにおいては、グループステージがリーグ戦との連戦になることが多いので、リーグ戦にあまり出られない選手を起用する機会ととらえてメンバーを替えることが普通になってきた。その裏をかいて、片方が"ガチ"の先発で臨むこともあるが、それが成功するとは限らない(実話)。

 

 今季のルヴァンカップは浦和レッズにとって、少し特殊だった気がする。

 ACLの決勝が予定されていたが、日程が重ならないのでルヴァンはグループステージから戦うことになった。なのでグループステージ+プライムステージ計10試合を戦ってここまで来た。

 過去6回の中で、決勝までに10試合あったのは初戴冠の2003年だけ。ほかは、プライムステージ(名称は違うが)が1試合制だったり、グループステージがACL出場によってシードされていたりして、多くても8試合、少なければ4試合しか戦っていない。

 

 だから今季はここまで、多くの選手が関わっている。数えると全部で32人が出場していた。その中で18人しかメンバーに入れられず、11人しか先発させられないマチェイ監督はさぞ悩んでいることだろう。

 どうやらケガで出場が危ぶまれていた選手も戻ってきていると聞く。担架で運び出された早川隼平が4日後に先発できるのだから、それも不思議はない。プロスポーツのメディカルスタッフは素晴らしい。

 明日の前日練習に行けば、18人が判明するのだろうか。それとも20数人で練習するのだろうか。

 決勝の前は、誰が先発で誰がベンチかということが一番の興味で、それは今季も変わらないが、それと同じくらい、裏返しの「誰がメンバーに入らないのか」ということが気にかかる。本当に、みんなでここまで押し上げてきた大会だと思うからだ。

 

 Jリーグカップは一度だけ決勝がホーム&アウェイの2試合制だったが、それ以外はすべて1試合の一発勝負。

 ホーム&アウェイ2試合制のノックアウト方式で、ホームが第2戦だった場合、過去19回のうち13回勝ち上がっているレッズが、決勝では6回のうち2回しか勝っていないのは、一発勝負に弱いということなのだろうか。いや、天皇杯では5回決勝に出て4回勝っているのだから、そうではないだろう。

 ただ6回のJリーグカップ決勝を振り返ると、負けた4回は0-1か0-0PK負けで、すべて無得点に終わっている。逆を言えば得点した2試合ではPK戦を含めて優勝している、ということだ。

 ここ2年間で3度対戦し、スコアレスドローが2回、1-1のドローが1回と、福岡とのリーグ戦は3試合のいずれもロ―スコアに終わっている。福岡からどうやって点を取るか。リーグ戦でも苦しんできたそのことが、優勝への大きなポイントになりそうだ。

 

 マチェイ監督は勝利の後「We are Diamonds」をベンチで見聞きしたことがない。すぐにDAZNのインタビューのためにグラウンドを後にし、そのままロッカールームに行き、記者会見に赴くというスケジュールのためだ。

 ただ3月31日のアウェイ柏戦のあと、耳に入ってきたと言う。

 「ロッド スチュアートのSailingのカバーですよね」

 日立台だと構造上、中にいても聞こえるらしい。

 もし、機会があったら聞くだけではなく、フィールドからその光景を見てください、とお願いしておいた。もちろん映像では見ているだろうが、あの場に立ったときにどれほど魂を揺さぶられるかまでは想像できていないだろう。

 

 そんな話題になったのは、新国立競技場では天皇杯優勝の経験があるものの、そのときは声だしNGだったから、レッズサポーターが本来の応援を新国立でするのは今回が初めて、という話の流れからだ。

 そう考えると新旧の違いはあれ、国立でレッズサポーターがフルパワーで応援するのは10年ぶり、ということになるのか。

 「初戴冠の地で再び凱歌を揚げろ」とサポーターはアピールしてきたし全面的に支持する言葉だが、「新国立で2つめのタイトルを」とも言いたい土曜日だ。

 

EXTRA

 

 今回、エル・ゴラッソ編集部の依頼で、同紙ルヴァンカップ決勝プレビュー号の「浦和巻頭コラム」を書かせていただいた。提示されたテーマに興味をひかれたこともあるが、MDP決勝特別号だけでは、決勝への思いを書ききれないからだ。

 全国媒体であるエルゴラに、レッズに特化した僕が書くことはないと思っていたが、ネット配信だけになったことで、レッズファン向けの巻頭コラムなので、他サポを意識せずに、まるでMDPのように書くことができた。今日11月2日の17時半ごろ配信開始らしい。

 もちろん5日か6日には「浦和レッズ、Jリーグカップ7年ぶり優勝!」の記事が読めると信じている。

 僕も以前は宅配で購読していたが、ネット配信のみになってからご無沙汰している。しかし今月はACLアウェイ浦項戦もあるし、その後には神戸との決戦もある。さらに、小野伸二のラストゲーム、ACLグループステージ最終戦、FIFAクラブワールドカップと続く。

 タイミング的にはいいかもしれない。

 詳細はhttps://elgolazo.jp/

 

(文:清尾 淳)