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Weps うち明け話 #1210

強者の証、3連戦(2024年11月18日)

 

  4,202人。

 目指していた5,000人には届かなかったが、目標の84パーセントを達成したのだし、多くの選手は間違いなく、いつもより多くの後押しを背中に感じていただろう。

 

 1117日、WEリーグ第9節、三菱重工浦和レッズレディースvs大宮アルディージャVENTUS。ビジター側スタンド=通称「出島」が、9日に行われた広島戦ぐらい埋まっていたら4,500人ぐらいにはなっていたかもしれない。

 初めて、あるいは久しぶりにレッズレディースの試合を見た人が、何十人、もしかしたら何百人かはいたのではないか。そこで相手のゴールネットを4回揺らし、相手の攻撃をシャットアウトできたのは良かった。

 

 その人たちは、後半途中出場で2得点した藤崎智子が、まだレッズレディースユース所属の高校生だということを知っていただろうか。できれば後から入ったもう一人の高校生、前原嘉乃(35番)にも得点が生まれれば、もっと良かった。

 また残りが30分もあった時間帯にGKが交代したのは相手にとっては屈辱的だったかもしれないが、途中出場の福田史織は、WEリーグ1シーズン目にレディースユースから昇格したばかりではあったが、ほぼ全試合に出場していた、歴としたレギュラー候補であり、決して大宮を格下に見ての交代ではなかったことも言っておきたい。

 

 あの1試合だけでも満喫できたと思うが、できればいろいろな情報を仕入れて試合を見ると、もっと楽しむことができるはずだ。多くの人がレッズレディースのリピーターになってくれれば、と思う。 

 人は、相手のことを知れば知るほど好きになることが多いから。

 

 とはいえ、次の試合は平日の18時から。中2日の連戦だけに、より多くのサポートが欲しいところだが、物理的にそれは簡単ではない。

 1120日(水)、WEリーグ第4節、三菱重工浦和レッズレディースvsちふれASエルフェン埼玉。

 どうしてレッズレディースの今季8試合目が「第4節」かと言えば、AFC女子チャンピオンズリーグ(AWCL)に出場していたため延期された2試合のうちの1つだからだ。

 10月に開催されたAWCLのグループステージでは3戦全勝で、来年の準々決勝に進んだ。その間に行われたWEリーグの第4節、第5節が未消化になっている。

 その第4節が1120日に、第5節は1211日に行われる予定だ。

 

 レッズレディースの日程を見ると、大宮に勝ったのが1117日(日)、EL埼玉とのWEリーグ第4節が20日(水)、アルビレックス新潟レディースとのWEリーグ第10節がアウェイで24日(日)という3連戦になっているし、12月には8日(日)にWEリーグクラシエカップ準決勝、11日(水)にWEリーグ第5節、そして15日(日)に皇后杯5回戦が兵庫県で行われ、こちらも3連戦だ。

 

 安藤梢、猶本光、菅澤優衣香、水谷有希らがケガで長期離脱し、さらにリーグ得点王の清家貴子が海外移籍。昨季の主力5人が不在で、その分を若手の頑張りで埋めている今季のレッズレディースは決して選手層が厚いとは言えず、3連戦は簡単ではない。

 大げさでなく、2017年ごろの浦和レッズに当てはめれば、阿部勇樹、柏木陽介、興梠慎三、宇賀神友弥、ラファエル シルバが不在で戦っていることを想像してもらいたい。

 しかし、国際大会で勝ち進んだことでリーグ戦の試合が後倒しになり、連戦が増えるのは、間違いなく強者の証(あかし)だ。この厳しい条件を克服してWEリーグ3連覇を果たしてこそ、日本の女子サッカーをけん引して行く存在になる。

 

 1117日、初めてレッズレディースの試合を見たみなさん。

 あなたがたが応援したチームは、そういう日本一厳しい試合日程と、苦しい台所事情という環境で戦っている、浦和に複数のタイトルを持ってこようとしているチームです。

 ぜひ、これからも応援してください。

 

(文:清尾 淳)