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Weps うち明け話 #1226
ラインを超える時期(2025年4月24日)
どうなることかと思っていた5試合連続ホームゲームも、早いもので明日が3試合目。早いはずだ。4月16日から5月6日までと言えば21日間。そこで5試合なのだから。
どうなることか、というのは自分の仕事のことであって、試合結果ではないのだが、試合で言えば「勝ちながら少しずつ向上している」という理想的な方向に行っているようだ。
たとえば4月2日の清水戦は、①今季初めて2点目が取れた、というプラス面がある。
町田戦は、②今季初2点差勝利、というのがプラス面だ。③今季初めてセットプレーで点が取れたことも喜ばしい。④今季初のアウェイ勝利というのもある。国立ではあまりアウェイ感がないとは言え、間違いなくホームではない。
京都戦は、⑤先制して追い付かれたが、その後勝ち越したのが今季初だ。⑥1試合平均失点が初めて1未満になったというのもある(第1節、第2節も1未満だったが)。
そして横浜FM戦は、⑦リードしていて追い上げられる展開を押し戻し、突き放す点を挙げた、というのが最大の前進点だろう。それとも絡むが⑧1試合3点を挙げたのは初というのもある。⑨3試合で4点、セットプレーおよびその流れでゴールしているというのも挙げていいかもしれない。
それほど無理にひねり出したつもりはないが、本当に少しずつだが、毎回何かのプラス面が見られていると思う。
もちろん、足りないものもある。
❶流れの中でのゴールが相対的に少ない。
❷まだ得点がない攻撃的な選手がいる。
❸京都戦と横浜FM戦、2試合続けて同じ時間帯に似たような形で失点した。
❹首位ではない。
パッと思いつくものだけ挙げてみた。他にもいっぱいあるはずだ。
❹は一度達成すればそれで良し、というものではない。逆に最終節が終わったときだけ首位でもいいのだ。2007年の鹿島のように。
第4節、ホーム開幕の柏戦で負けたときは、「J1優勝なんて、どの口が言ってんだ」と見られても仕方なかった。それがようやく、優勝を目標に掲げていても、重すぎて支える手が震えるようなことはなくなった。暫定であっても首位を望むことが荒唐無稽でも夢物語でもないのだ。
今季はFIFAクラブワールドカップがあり、試合が「前倒し」と「先送り」のオンパレードだ。ACL出場クラブも同様で、20チームの消化試合数がそろうのは本当に終盤ではないか。
だから自分たちの位置を測る物差しは、順位よりも「試合数×2」という優勝ラインの相場だと思う。今のところ今季は、その相場から大きくラインが上がることはなさそうだし。
それでいうと、12試合消化で勝ち点が24なくてはいけない現在、レッズは19しかない。これから5連勝してようやくラインに並ぶのだから序盤に負った「借金」は大きい。プロ野球の「貯金」「借金」のように勝率5割が基準(だよね?)ではなく、優勝ラインを基準にしているのだから当然だが。
5連勝というと、町田戦から8連勝ということになり、まだPK戦があった1998年までさかのぼらないとレッズは経験がない。もちろん毎試合勝利を目指して戦い、その積み重ねが連勝なのだから、あきらめる必要はないが、この借金は前述したように「優勝ライン」への借りなのだから、終盤までに返せばいいのだ。
明日勝てば4連勝となり直近5試合の勝ち点は「ライン」を超えた12となる。ここまでは順調に右肩上がりで来たが、これからは多少の上下も出てくるだろう。それも飲み込んで戦っていきたい。
大事なのはラインを最後に上回ることだ。
でも目の前の試合に勝ちたいのはいつものことだ。
特に広島からレッズへの移籍を選んだ松本泰志のためにも、明日は絶対に勝ちたい。
(文:清尾 淳)