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Weps うち明け話 #1229
革命前夜(2025年6月6日)
昨日6月5日、いつもと同じように、さいたま新都心駅から歩いて大原サッカー場に向かっていた。午前9時半~10時ごろだと、あまり人と出会わないのだが、昨日は後ろから人に抜かれた。誰かいるとしても自転車か、わりとのんびり散歩している人ばかりで、後ろから追い抜くほど急いでいる人はめったにいない。珍しいなと思ったらまた抜かれた。そんなにゆっくり歩いていたつもりはなかったが、トシのため自然に遅くなっているのかなと思い、気持ちスピードを速めてみた。それから追い抜かれることはなかったが、すぐ後ろに何人かの足音が聞こえるようになった。そして追い抜いて行った2人にはとても追いつけなかった。
最初の人の様子からはわからなかったが、2回目に抜かれた人は黒いケースに入った竿のようなものを持っていたのではっきりした。
大原へチームの見送りに行くんだな。
僕を抜いていった2人は、10時からの練習の前に着きたくて、あんなに急いでいたのかもしれない。後ろに聞こえる複数の足音の人たちも含めて、その心情を推し量ると頭が下がった。
大原では出発前最後の練習を、オフ明けにしてはみっちりやって、練習終了後は、詰めかけた約500人のファン・サポーターを前に、選手会長の大久保智明が御礼と決意を表明した。トモはいきなり、やれと言われたそうだが、選手会長だとキャンプなどキャプテンが決まる前は選手を代表して挨拶することも多いので、慣れているようだ。
挨拶と言えば6月1日の横浜FC戦の後には関根貴大がスタジアムで挨拶した。その後の取材で、サポーターのビジュアルや、チャントなどに感激した話は聞かせてもらったが、昨日の大原では、その後に行われたサポーターによる壮行会について語ってくれた。
サポーターが直接チャントや旗などで戦いに行くチームを送り出したことは、2018年の天皇杯では大原で、2023年のACL決勝ではアウェイの等々力競技場で、それぞれ素晴らしい、いや凄まじい迫力の送り出しがあったが、今回はそれよりもはるかに迫力があり、選手の気持ちをたぎらせたらしい。ふだんのスタジアムでの応援とはまた違う、さらに気持ちが触れ合うような機会を全選手が持てたことはすごく良かった、と関根は語っていた。
僕は選手が撮った動画がアップされたのを見ただけだが、そこが日本ではないような光景に目を見張った。革命政府の指導者たちをたたえるために集まった群衆って、こんな感じなのかなと思った。
そう。今回のFCWCにレッズが出場し、世界の強豪相手に戦うのは、まさに革命を仕掛けるようなものではないか。
FIFAの関係者も、UEFAの役員も、優勝はヨーロッパのクラブで、ベスト4もヨーロッパが独占、もしかして南米が1クラブ入るか、ぐらいに考えているだろう。
そんな中でレッズはまずグループステージを突破することと、さらに上を目指している。グループステージの相手3チームを見れば、前回までのFCWCの決勝進出2クラブと3位決定戦出場クラブが集まったような顔ぶれだから、そこで2位以内に入ること自体が、革命の第一歩のようなものだ。
世界大会の場で浦和革命の旋風を巻き起こす。そんな楽しみが再来週から待っている。
革命を成功させて帰国したあかつきには、あの6月1日の北広場を浦和の駅前で再現してほしいくらいだ。
(文:清尾 淳)

