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Weps うち明け話 #1234

意欲が湧く宿題(2025年9月4日)

 

 宿題、と言えば、好きなイメージを抱く人は少ないだろう。

 僕も小学生のころ、一般的には好きではなかったが、テーマによっては嫌いではなかった。

 簡単で時間のかかるものは嫌いだったが、難しいけど面白そうで取り掛かるのが楽しく思えるものもあった。今の小学校の宿題ってどうなんだろう。昭和40年代とは全然違うものなのだろうか。

 

 9月3日()、埼玉スタジアムで行われたYBCルヴァンカップ準々決勝第1戦、浦和レッズvs川崎フロンターレ。レッズから見て、ざっくりした言い方をすれば、その3日前に行われたJ1リーグのアルビレックス新潟戦と似ていた。

 相手に攻められる場面をしのぎ、素晴らしい流れで先制点を奪った前半。

 ギアを上げてきた相手に攻め込まれる時間が長くなったが、それをしのぎ追加点を狙った後半。

 そこまではほぼ同じ。そしてアディショナルタイムが7分だったことも同じだった。

 だが、新潟戦は1-0のまま勝ったが、川崎戦はあと3分足らずのところでゴールを奪われ、1-1のドローで終わったところが大きな違いだった。

 

 リーグ戦であれば勝ち点3が1になるのだから、大きなダメージだが、2試合で決着がつくルヴァンカップの準々決勝はまだ途中だ。何の結果も出ていない。

 第2戦に向けて1点のリードがなくなったことがショックかといえば、そうでもない。次の試合で勝つか負けるか。アウェイゴール制がなくなり、第2戦が普通の勝負になったということで、それほどのマイナスではないと思っている。いや、リードしているという気持ちで第2戦に臨むと、どこか守備的になってしまうことも考えられる。まあ、それは深読みしすぎ、というより、追いつかれた悔しさを負け惜しみで打ち消したいという意識が生んだ発想かもしれない。

 

 一番気になるのは、このところ顕著に出ている傾向「前半のリードを維持できない」という脆さが払拭できなかったことだ。新潟戦を1-0で勝ち切り、嫌な流れを断ち切った感があったので、川崎戦も1-0で終われれば、堅守が戻ってきたかな、と思えたのに、逆転はされなかったものの勝ちきれなかった。そのメンタル的なダメージは正直なところ少しある。

 

 一方、昨日の試合では、初先発したDF根本健太が堅実な、しかも堂々とした守備を見せただけでなく、速くて正確な縦パスという自分の武器を披露した。

 また関根貴大の素晴らしいパスから、中島翔哉がゴールを決めた。中島は今季3度目の先発で2ゴール目だが、初先発で今季1点目を挙げたのはくしくもアウェイの川崎戦だった(5月21日)。

 ほかにもリーグ戦で出場機会が少ない選手たちが「俺たちもいるぞ」と、今後の先発争いに火をつけるようなプレーを見せてくれた。

 残り、最多で14試合となった今季の公式戦を戦っていく上で、ポジティブな要素があちこちに見られたことは良かった。

 

 もう一つ、いや二つなのかな。

 川崎戦で印象深かったこと。それはビッグチャンスがかなり多かったことと、それをほとんど決められなかったことだ。

 前半、先述した中島のゴール以外に良いパスからシュートまで行った場面が2回あった。後半は、相手のミスやカウンターからフリーや数的有利で敵陣に入る場面が何度もあったが、決められないかシュートに行けなかったことが目立った。

 ポジティブに見れば、1試合であれだけ多くの決定機を作れたことはすごく良かった。

 ネガティブに言えば、多くの決めるべき機会を1度しか点につなげられなかった。

 その場面を見れば残念極まりないのだが、決定機を作れなければガッカリもしない。決定機を作れないチームに「作れ」と言うのと、決定機をモノにできないチームに「決めろ」と言うのとでは、後者の方がゴールに近いはずだ。僕はこのコインの表と裏みたいな現象は、セットにしてポジティブな要素に分類したい。

 

 9月7日()の第2戦。誰もが不安に感じているのは、今季リーグ戦のアウェイでは町田戦と横浜FC戦の2試合しか勝っていないことだろう。天皇杯山形戦を含めても3試合だ。

 このアウェイで弱い状況に終止符を打たなければ、ルヴァンカップで準決勝に進むのは不可能だ。だが逆に、ここで勝つことができればルヴァンカップだけでなく、G大阪、清水、東京V、横浜FM、広島、岡山と今後6試合残っているリーグ戦のアウェイゲームへの自信になるだろう。第2戦はそういう試金石になる試合だ。

 そして、メンバーがどうなるかわからないが、出場する個々の選手にとっても大事な試合で印象に残る結果を出すチャンスだ。

 

 第1戦のリードを引っ提げて乗り込む試合ではなくなったが、いろいろな宿題に取り組む試合になった。小学校の宿題は先生が出すが、浦和レッズの宿題は、戦う中で発生してきたもので、それはチームが前に進むために解決しなければいけないものだ。

 そして7日の川崎戦で提示されているのは、解決したときに得られる成果が大きい、選手とサポーターにとって取り組む意欲が湧く宿題だと思う。

 

(文:清尾 淳)