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Weps うち明け話 #1240
今年最後の「We are Diamonds」(2025年12月30日)
高円宮妃杯 JFA 全日本U-15女子サッカー選手権大会。最多7回の優勝回数を誇る三菱重工浦和レッズレディースジュニアユースが、記念すべき第30回となる今大会で通算8度目の栄冠を手にした。
決勝が行われたのは12月27日、味の素フィールド西が丘。相手は25日の準決勝でセレッソ大阪ヤンマーガールズU-15を下したINAC神戸テゾーロだった。
立ち上がりから積極的にハイプレスを掛けてくる神戸に対し、レッズは思うようにビルドアップができず、ロングボールでの対応が増える。21分には自陣でボールを奪われ、ミドルシュートで先制を許した。0-1のまま前半を終える。
しかし後半、レッズは自分たちのサッカーを取り戻す。ドリブルと正確なパスワークで敵陣に攻め込み、開始2分で同点に追い付いた。バイタルエリア中央で仙石みのりが相手をかわし、左のスペースへ。走り込んだ増田彩衣里がダイレクトで蹴り込んだ。
その後は完全に主導権を握る展開となったが、相手GKの好セーブもあって勝ち越しには届かない。それでも73分、片岡菜葉の左クロスに徳生花音がゴール前でヘディング。伸ばしたGKの手を越え、ボールはゴールに吸い込まれた。
前年の決勝では2-1でリードしながらアディショナルタイムに追い付かれ、延長の末にC大阪に優勝をさらわれるという苦い経験があった。今回はその教訓を生かし、敵陣で時間を使う試合運びでリードを守り切った。
今季からチームを率いた西谷冬樹監督にとって、女子の指導は初めてだった。
「僕にとって初めての挑戦で、女子の特徴だとか難しい部分はありましたけど、彼女たちにいろいろ学ばせてもらって成長できた1年でした。こういう結果も最後に出て、本当に楽しいチームでした」と語る。
始動当初は、この高円宮妃杯と「JFA U15女子サッカーリーグ2025 関東1部」(優勝)の二冠を目標に設定していた。しかし選手たちから「もう一つあるでしょ」と背中を押され、社会人や大学生が主体の「埼玉県女子サッカーリーグ1部」にも挑戦。年齢差の大きい相手との公式戦は選手たちを鍛え、11月30日の最終戦では文教大学との全勝対決を制して優勝した。これが高円宮妃杯へ向けて大きな弾みとなった。
表彰式の後、選手たちがゴール裏へ挨拶に向かうと、サポーターは「We are Diamonds」を一緒に歌ってチームを称えた。ジュニアユースの選手たちはWEリーグのホームゲームで設営やボールパーソンを務める。いつもはトップの選手たちの勝利を祝って歌われるチームソングが、この日は自分たちに向けて響いた。
この日、同点ゴールを決めた増田彩衣里は「WEリーグでやってくれる応援を自分たちにもやってもらえるっていうのは、浦和レッズの特徴ですし、本当にうれしい部分で、浦和レッズとしての誇りです」と語った。
女子の場合、トップ昇格まで3年を待つ必要はないかもしれない。それでも、彼女たちがいつかWEリーガーとして駒場で「We are Diamonds」を聴いたとき、西が丘のゴール裏から受け取ったあの日の歌声が、自分たちの道の始まりだったと気づくのかもしれない。
決勝の73分(後半33分)、勝ち越しゴールを挙げた徳生花音(左から2人目)
終了のホイッスルを聞いた西谷監督が両手を突き上げる

サポーターが勝利の「We are Diamonds」を歌う
仲間と肩を組み「We are Diamonds」を全身で受け止める選手たち。数年後の駒場で共に歌うのは誰だろうか
(文:清尾 淳)

