1. TOP
  2. Weps うち明け話

Weps うち明け話 #1249

昨日が最後の公開練習——沖縄キャンプ17日目 (2026 年7月24日)

 

 

 沖縄キャンプも終盤。きょう7月24日(金)が17日目だ。

 

 ここまで沖縄国際大学(12日)、FC琉球(17日)、藤枝MYFC(21日)と、練習試合を3回行ってきた。その中で気付いたことはたくさんあるが、ここでは2人の選手を取り上げたい。

 

 

【小森 飛絢】

 

 7月21日(火)、沖縄キャンプの15日目。浦和レッズはキャンプ地の金武町フットボールセンターで、藤枝MYFCと練習試合を行った。前日から沖縄でキャンプを開始したレッズのU-21チームが1本目を行い、2本目からトップチームが出場。45分×3本というよりは、U-21が藤枝と45分1本の試合を行い、トップが45分×2本、つまり45分の前後半を戦う、そういう分け方だった。藤枝の選手がどういう分け方をしたのかは調べる時間がなかった。

 

 その4日前の17日、レッズは沖縄市の沖縄県総合運動公園陸上競技場でFC琉球と45分×3本の練習試合を行った。2本目の途中からと3本目に出場した小森は、ハイプレスの先頭に立っていた。守備陣がボールを持って時間を作りかけるとプレッシャーを掛けボールを取りに行った。

 その結果、3本目で小森が2点を挙げたが琉球も2ゴールを追加し、この3本目は2-2。トータルでは4-5で琉球が勝利した。小森は2点のほかに何本か惜しいシュートを放ち、最後までトータル勝ち越しを狙っていた。

 

 藤枝戦は、その次の練習試合。間に3日挟んでいるし、相手も変わっているが、小森はまるであの琉球戦が続いているかのように「ボールを奪うぞ!」「点を取るぞ!」というギラギラした雰囲気を見せていた。相手のDFやGKは、少しボールを持って出しどころを探そうとすると小森が迫って来るので嫌だっただろう。しかも小森は3分に自分が先制点を挙げてからも、プレスの勢いを落とさなかった。まさか琉球戦から通算してまだ5-5だと思っていたわけではあるまいに。この日、スプリント回数は小森がトップだったのではないか。

 

 そう言えば小森がレッズのキャンプに通常の参加をするのはこれが初めて。今年の冬は、直前に左肩を手術したため、ほとんどの日、ジョギングに終始していた。練習試合に、公式戦以上の気持ちを持って臨むのは小森飛絢のデフォルトなのか、それとも今回は特に気持ちが入っていたのか、今度聞いてみよう。

 

 

【笹 修大】

 

 今回の新加入選手の中で唯一、J1に所属したことのなかった選手が笹修大だ。だからと言って下に見るなどという気は全くない。2021年のレッズもJ2クラブからの移籍選手が少なくなかったが、多くの選手が活躍したし、小泉佳穂や明本考浩は今やJ1で(レッズではないのが何とも悔しいが)主力となっている。笹も2025シーズンに高校を出て加入したのがJ2の今治だったというだけで今はJ1にプレーの場を移している。活躍し、主力となるのはこれからだ。

 

 1回目の沖縄国際大との試合では、中盤に位置して30分の試合終盤、早川隼平から右サイドへ縦パスが出たのに合わせて笹が前に出た。元々はそのまま相手守備ラインの裏で受けようとしていたらしいが、ボールが伸びなかったので、ヘディングで右のワイドにいた水沼宏太にパス。水沼が中央のマテウス サヴィオに送りサヴィオがシュートを決めた。笹は水沼に出した後、そのまま前に走り込んだのでサヴィオにスペースができていた。一連の動きは本人から話を聞いて、ようやく理解できた。その試合で笹が前線まで出てきたのはたぶん、それが初めてだった。

 

 2回目はFC琉球戦。2本目がキックオフして20秒すぎ、全体の配置を確認していた僕の前に、笹がオーバーラップしてきた。オナイウ阿道から出てきたボールをダイレクトで右からクロス。相手GKの前を瞬時に通り過ぎたライナーのボールは、ファーサイドから飛び込んだ肥田野蓮治のジャンピングボレーでネットに叩き込まれた。一連の流れを映像で見ることができたら、すごくダイナミックでしびれるシーンだったはずだ。

 

 そして3回目が7月21日の藤枝MYFC戦。1-0とリードしている時間帯にCKからヘディングシュートを決めた。

 笹は、横にがっしりしているせいか、あまり高く感じないが身長183cm。これは西川周作と同じだ。あとから「ヘディングは得意」だと聞いた。高かった。

 笹は、これで3回の練習試合すべて点に絡んでいる。3回とも得点に絡んだのは笹だけではなく、南野遥海もそうだし、マテウス サヴィオは3回とも得点している。ただインパクトという点で笹は大きかった。おまけにこの藤枝戦の後半はセンターバックとしてプレーした。さまざまなポジションをやってきたことは聞いていたが、センターバックもこなすとは。

 

 笹は、7月5日の新体制会見のとき「池西TDの話の中で、レッズに来るにあたってどの部分が最も心を動かされたか?」という僕の質問に答えて「若さやポテンシャルを評価してくれたことと、『浦和レッズは2006年からリーグ優勝がない』『共に優勝を目指して戦ってほしい』という熱い思いを話してくれたこと」と答えてもらったが、そのときにふと誕生日を確認すると、2006年8月31日生まれだった。

 

 笹がもの心ついたとき、レッズは黄金期を過ぎていたはず。彼が実際に見ていたレッズをどう感じていたのか、今度聞いてみよう。

 

 

 さて、沖縄キャンプの公開練習は昨日でおしまい。今日からは非公開で行われ、チームは26日浦和に帰る。

 そして今季は2017年以来、9年ぶりにJリーグ開幕間にプレシーズンマッチが行われる。昨日行われた曺 貴裁監督の囲み会見で「RB大宮アルディージャとのプレシーズンマッチも開幕に向けての準備として織り込んでいたのか」という質問に対して、同監督はこう答えた。

 

「1週間前にそういう試合があるということで、メリットとデメリットはありますけれども、やるメリットを最大限に生かせるように、いろいろなシミュレーションをしながら、開幕のガンバ大阪戦に向かっていけるようにやっていきたいです。

 情報戦のところもありますけれども、それよりも自分たちがどうプレーできるか、埼玉スタジアムでそういうことがやれるのは、僕にとっても選手にとっても、ある意味で新しいことを要求されているということで、モチベーションが上がる舞台だと思いますし、僕の中ではポジティブに捉えています」

 

 開幕前に公式戦に準じた試合を行うのは、周りに手の内をさらけ出してしまう可能性がある。今回は開催されないが、J開幕の1週間間に行われていたスーパーカップに出場する2チームは栄誉と共にハンデを与えられていたようなものなのかもしれない。

 8月1日のRB大宮戦は、G大阪やその後の広島など開幕直後に対戦する相手に情報を与えることにもなるが、やるならやるで開幕前の準備の一環としてしっかり位置づける。それはチームの完成度を測るものであると同時に、一緒に闘うファン・サポーターへのお披露目という意味の準備でもあるし、“ホーム埼スタを知らないレッズOB”である自分や新しい選手たちにとっての準備でもある。そういうことだ。

 

 キャンプはそろそろ終了するが、開幕前の準備はその後も続いていく。そんなことを感じた公開キャンプ最終日だった。

 

 

 

笹 修大 

 

小森 飛絢

 

 

(文:清尾 淳)