《さいしん》の挑戦
お客さまの事業の成長に貢献する

取引先課題解決

地域創生部は、お取引先企業の課題を営業店と連携して解決することを目的として、2019年に設立した新しい部署です。事業承継やM&Aなど、さまざまな課題を解決し、付加価値を提供することで既存のお客さまとのお取引機会を増やすほか、新規のお客さまの開拓を支援して、多くの実績を上げてきました。今回は、武蔵藤沢支店と連携して、県内有数の規模を誇る優良企業と新たなお取引に成功した事例を中心に、武蔵藤沢支店と地域創生部所属の職員2人に当時を振り返りながら語ってもらいました。
※所属およびインタビュー内容は、取材当時のものです。

武蔵藤沢支店
坂本 皓平KOHEI SAKAMOTO

2008年入庫。豊春支店に配属され預金・融資・得意先業務を経験し、2014年主任へ昇進。2015年に狭山支店に異動し、得意先業務のなかでも新規開拓を中心に取り組む法人専担者を担当。2018年に支店長代理へ昇進し、武蔵藤沢支店へ異動。得意先業務を担当したのち、現在は融資業務を担当。西部地区開拓を推進するなかで、大口のお取引先や新規のお客さまへのアプローチはもちろん、部下への指導やフォローを行う。

地域創生部
長谷川 洋介YOSUKE HASEGAWA

2005年入庫。与野支店に配属され預金・融資・得意先業務を経験し、2009年主任へ昇進。2011年に本店営業部、2015年に支店長代理へ昇進し、川越支店へ異動。2018年に融資部融資審査グループへ。2019年1月から半年間信金キャピタルにトレーニーとして所属し、M&A事業に携わる。その後、現在の地域創生部に所属し副長として主に営業店のサポートを行う。

M&Aの提案で県内有数の企業を開拓

長谷川
営業店をサポートして、お客さまの課題を解決する地域創生部の業務も軌道にのってきました。その大きな成果が坂本さんと取り組んできたK社の新規開拓です。
坂本
ありがとうございます。グループ売上高が100億円を超え、海外にも事業を展開する県内を代表する優良企業とお取引できたことは、営業店の業績に寄与するたけでなく、職員一人ひとりの自信にもつながります。最初のアプローチは私が武蔵藤沢支店に異動する前ですから、約4年かかりました。粘り強く、あきらめずに通い続けたかいがありました。
長谷川
坂本さんの努力が実りましたね。K社からは、粘り強さや訪問の回数も評価いただいたかと思いますが、それだけではないと思います。資金需要は他行で十分に満たされていましたから、付き合いのない金融機関と新規で取引する必要はありませんでした。ですが、私たちが提案したM&Aの案件に興味を持ってくださったことから、関係が一気に深まったように感じます。
坂本
はい。長谷川さんに協力いただき、《さいしん》の情報力とネットワークを最大限に活用しました。K社がシナジー効果を得られそうな案件を厳選して提案したことで、メガバンクをはじめとする競合金融機関との差別化をはかり、《さいしん》のプレゼンスを高められました。K社のご担当者さまが「提案の多さが《さいしん》はいちばんだね」とおっしゃってくださった時には、とてもうれしかったですね。

課題解決の取り組みは成長の原動力になる

坂本
K社にはM&Aだけでなく、さいしんビジネスフェアによる商談機会の提供、ビジネスマッチング、人材の採用支援、特許庁による知財金融支援など、《さいしん》の本業支援ツールを活用した幅広いご提案を進めています。私たち地域密着型金融が、総合的な課題解決を武器に他行庫をメインバンクとしている企業へ挑戦し、取引金融機関の一角を占められたことは、とても大きな成果だと思います。
長谷川
そうですね。K社が新規事業を始めたり、M&Aを実施したりする際には、まず私たちにご相談いただける信頼関係を築けていると自負しています。ご融資から入るだけでなく、金融の枠を超えてお客さまの本業に資するご支援を行う課題解決型のアプローチは、今後ますます重要になるでしょう。
坂本
K社のM&Aは進行中で、これから大詰めを迎えるところです。その間に、私が担当する他のお客さまで、ご提案していたM&Aのうち、2件が成立しました。《さいしん》全体でもM&Aの実績はまだまだこれからですので、これは大きな前進だと捉えています。課題解決の取り組みにも弾みがつくでしょう。M&Aには必ず資金需要が発生するため、ご融資につながることも多いため、結果的に営業店の業績にも貢献できます。
いま、さまざまな金融機関が事業承継やM&Aに力を入れています。それだけお客さまからの需要は高く、私たちも本格的に力を入れていく必要があります。営業店だけの力では難しい案件が多いため、より高度な知識を持つ本部との連携が重要です。
長谷川
はい。本部職員は、営業店の支援に必要な専門知識やスキルを身に付けるため、日々努力しています。幅広い分野の情報収集も必要になるため、預金・融資・為替といった本来の金融業務だけが求められる時代ではないということを痛感しています。
坂本
私もお客さまの期待にお応えできるようにと、ファイナンシャルプランナー1級の資格を取得しました。取引先課題解決に取り組むことは、業績だけでなく、職員の成長を促進する効果もあります。

「先義後利」を信条にお客さまの課題と向き合う

坂本
取引先課題解決の強化には、埼玉県西部地区の開拓を推進したいという想いもあります。例えば、入間市の工業団地には250以上の企業があり、とてもポテンシャルが高く開拓したいと考えている地域です。そこで《さいしん》がブランド力を発揮するためには、事業承継やM&Aの実績も大きな1つの武器になります。K社のような優良企業を開拓できたことで、地域の商工会や工業会、自治体などの認知度も高まってきました。
長谷川
私たちの提案力が向上しているのも、課題解決を後押ししています。関東経済産業局や中小企業基盤整備機構、大学の研究室など、産学官連携を強化することで新規事業や研究開発を行うなど、多彩なメニューをご提供できるようになりました。また、埼玉県内を網羅する独自の情報ネットワークにも、大きな価値があります。こまめに足を運ぶことで、経営者の方が次の戦略を構想しているタイミングで情報をキャッチできます。その情報をもとに《さいしん》でお取引いただいているお客さま同士をつなぐ、ビジネスマッチングに発展することもあります。地域に密着してお客さまに寄り添う姿勢こそが、私たちならではの強みであることを再認識しました。
坂本
そうですね。常にお声がけすることは、とても大切です。K社の場合も何年通っても、すぐに成果は出ませんでしたが、あきらめずにアプローチし続けたことが成功につながりました。タイミングや提案の内容によって、私たちを必要としてもらえる日がくると思っていましたから。
長谷川
坂本さんの根気強さには本当に敬服しています。どんなに断られても、何か新しい情報やサービスを提供できないかと探していましたね。目先の利益でなく、お客さまの本業に資することを考える姿勢が伝わったのだと思います。私たちの利益は、お客さまの成長があってこそ。お客さまへ、より良いサービスを提供するためには《さいしん》の利益も必要ですが、「先義後利」を実践していくことが《さいしん》の使命だと思います。
坂本
収益性を重視するドライな関係性ではなく、お客さまがお困りの時にスピード感をもって役立てるように努力することが信条です。《さいしん》なら何とかならないかという期待にお応えできるように、これからも取引先課題解決の取り組みに力を注ぎたいと考えています。