Weps うち明け話 文:清尾 淳

#392(通算#757)

初めての楽しみ

 北海道でのキャンプは6度めらしい。
 直近は08年の夕張キャンプで、その前は04年の函館キャンプ。初めて行ったのは97年の十勝キャンプだ。水内猛さんによれば、93年に札幌厚別キャンプがあり、92年には網走キャンプがあったという。僕も、そんな記憶があるけど、その2回は自分で行っていないので定かでない。当時は練習の取材にそれほど行かなかった時期だったのだ。

 そんなわけで6回目となる北海道キャンプだが、小樽・キロロ地区では初めて。というより、同じ場所で2回やったことがない。シーズン前のキャンプが、指宿、宮崎など毎年のように同じ場所でやるのに比べ、今の時期のキャンプは毎年こういう期間が取れるとは限らないからだろうか。そのたびに現地を調査し、関係各所と交渉し、準備するスタッフは大変だろう。

 初日の昨日は、16時15分から宿舎のホテルから徒歩5~6分のグラウンドで、フィールドプレーヤーは体幹トレーニングなどを中心に身体を動かしただけだった。近くの山にはまだ雪が残り、そのグラウンドも最近まで雪が解けていなかったらしい。近くの川からは、「せせらぎ」と呼ぶにはかなり激しすぎる音がしている。山の雪が水になって川の水量が増している時期なのだろうか。万一、川に落ちでもしたら、流れは速いし、何より冷た過ぎて危険だろう。
 そのせいなのか、羽虫が多くて閉口した。別に刺したり咬んだりするわけではないけど、大量に顔にまとわりついてくる。大きな口を開けてしゃべろうものなら、何匹か飲み込んでしまいそうだ。なんで、あの虫はこんなに人間が好きなのだろうか。

 昨日のトレーニングでは、鹿島戦で右足首を捻挫した宇賀神がウォーキングとジョギングで、それ以外の選手は(参加したユースの3人を含めて)同じメニューだった。ボールを使った実戦形式の練習だとどうなるだろうか。

 初めての場所は慣れるまで大変なところがあるが、初めてゆえの楽しみもある。今日は違う場所での練習らしいから、そこも少し楽しみだ。とりあえず虫がいないことを祈る。

(2013年6月6日)

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