#421(通算#786)
お仕着せ
やっぱり、自分はレッズに特化した仕事しかしてないなあ。
去年のナビスコ杯はレッズが予選リーグで敗退したから、ほとんど注目していなかった。鹿島が優勝したというのは、興梠が「自分は2連覇している」と言うので、そういえば去年は鹿島が一昨年に続いて優勝したんだ、と気が付いたくらいだ。
しかし、はて? 準優勝はどこだっただろう、と考えても全くわからなかった。Jリーグのホームページで、ここを見て初めて清水だったことがわかったという情けない次第だ。
http://www.j-league.or.jp/search/?type=news&s_league=yncup&c=00005394
で、驚いた。
Jリーグ、去年そんなことやったの!?
たしかに去年はナビスコ杯20回記念大会だった。だから特別な盛り上げをするのは理解できるけど、コレオグラフィーを「やらせた」のか。知らなかった。それはいいとして、どうして今年もやることになるんだろう?そこがよくわからない。
最近のナビスコ杯決勝は4万人、5万人という入場者で盛り上がっているようで、それは非常に良いことだ。だが、元日の風物詩でもある天皇杯の決勝とは違って、ナビスコ杯決勝ファンはまだそれほど多くないのではないか。つまり4~5万人の多くは、決勝進出チームのどちらかを応援するために駆け付けたファン、サポーターであって、ナビスコ杯決勝を盛り上げるために来た人ではない。それぞれのチームのサポーターが仲間に呼び掛けて行う、コレオグラフィーとはまったく性格が違うものを、強制していいのだろうか。
試合の盛り上げ方については、いろいろな考え方があると思うが、僕の考えでは、両チームのサポーターが創意工夫した応援(盛り上げではなく応援)を展開するのが、結果的に最も盛り上がることになると思う。
そこで行われるのは優勝を懸けた試合であって、イベントではないのだ。勝つか負けるかで、試合後の気分と立場が天と地ほども違う。両者のボルテージが最高に上がることで、そういう戦いの直前にふさわしい盛り上がりになるのだ。主催者はそれにできるだけ協力するか、少なくとも邪魔をしないというのが一番良い。
両チームのサポーターがそれぞれのゴール裏で展開する応援、それがコレオグラフィーなのか何なのかはわからないが、それを「お仕着せ」のもので邪魔しようというのか?
サッカーは「お仕着せ」というものから遠いスポーツだと思っていたが、そのリーグを運営する団体は、ファン・サポーターへの「お仕着せ」を行って「どうです。素晴らしいでしょう。このボードはお土産に持って帰っていいですよ(片付けと掃除の手間が省けるからね)。写真は後でダウンロードできますよ」と悦に入っているのか。
ナビスコキッズイレブンなど、試合前にいろいろなイベントをやるのは、盛り上がりの一環として良いと思う。オーロラビジョンに流れる映像も悪くない(一昨年は)。
だが、選手入場の直前は、もう試合モードだ。「お仕着せ」のものは止めて、両チームのサポーターに雰囲気作りの主導権を渡してしまえばいい。
再考の余地ありありだと思うが。
EXTRA
1.今度の決勝、両チームのファン・サポーターの数から言って、柏側のバックスタンド指定席にもレッズファン・サポーターがいる可能性は非常に高い。「デザインはこれと違います」とあるが、もし自分の席に黄色いボードが置かれていたら、そのレッズファン・サポーターは喜んでそれを上げるだろうか。
2.2ステージ制移行には依然反対だが、あの問題には、まだ経済的な問題という大義名分があった。だが、このお仕着せコレオグラフィーはどうだろう。Jリーグ、ズレ過ぎじゃないか。
3.去年の11月3日は何をしていたんだろうと、記録を見たら、武蔵小杉でサポーターの友人たちと飲んでいた。そう言えば、店に清水のマフラーをしたお客さんが入ってきて、みんなで「なぜ?」「試合?」と囁き合って、誰かが携帯で調べ、「あ、ナビスコの決勝、鹿島と清水だった」と判明した記憶がある。
ああ、さらに「20回記念で、Jリーグ主導でコレオやったみたいよ」という話も聞いたような…。記憶がよみがえってきた。
だったら30回大会まで封印してください。
(2013年10月18日)