Weps うち明け話 文:清尾 淳

#865

割れた票、いや入場者

 ようやく書ける、書きたい、と思ったときに大型連休中で更新作業がお休み。
 それでも書かないと、タイミングが終わってしまうから、書いておこう。ということで、以下は5月3日に執筆したもの。

 埼スタでガンバ大阪に勝ったリーグ戦は、優勝した06年の最終節が最後。5月2日(土)の試合は9年ぶりの勝利となった。何と07年以降去年まで、埼スタにG大阪戦を見に来た人は勝利を見ていなかったわけであり、今年は実に貴重な機会にめぐり合えたわけだ。もっとも、G大阪戦の勝利は何とか流星群のように9年に1度巡ってくるものではなく、来年だって再来年だって勝ってくれなければ困るのだが。

 5月2日は53,148人という入場者だった。
 今季はリーグ戦ホーム開幕の山形戦がかろうじて4万人を超えたが、松本戦37,154人、横浜FM戦33,793人、名古屋戦29,803人と減り続けていた。ACLの3試合が、13,000人台という埼スタでは珍しいほどの低調ぶりだったことと合わせて、名古屋戦で3万人を切ったことで「レッズ大丈夫か」「サッカーが面白くないからだ」という声が聞こえてきたものだった。
 レッズの今のサッカーが面白くないかどうかは別として、僕は今季の日程を見て「このあたりキツそうだな」と思っていた。「このあたり」というのは4月から5月にかけての時期で、4月18日(横浜FM戦)、25日(名古屋戦)、5月2日(G大阪戦)と、3週連続で土曜日にホームゲームがある。それに加えてACLのホームゲームもあったからMDPの編集製作も相当なキツさを予想していたが、入場者数も伸びないのではないかと思っていた。

 どういう対戦相手であれ、レッズのホームゲームなら行く、という人はシーズンチケットを持っているだろうから、そうでない人はいろいろな要素、条件で試合ごとに行くか行かないかを判断する。その際、2週間に1回ぐらいの頻度でホームゲームがあれば、「その試合に行くか行かないか(行けるか行けないか)」ということになるだろうが、3週間連続で試合があれば、「3つのうち、どの試合に行くか」という心理になる。その際に、上位決戦になりそうなG大阪戦がファーストチョイスになることは想像でき、残りの2試合については、もう1試合行くか行かないか、という選択になるだろう。
 ちょうど統一地方選挙の最中だったが、選挙で同じ党や同じ支持層を持つ候補者が複数いると「票が割れる」ように、横浜FM戦と名古屋戦がG大阪戦より2万人も少なかったのは、そういう理由(も大きい)と思っている。2試合が毎週連続していなかったら、もう少し伸びていたのではないか、と思う。

 もちろん根本的に「レッズの試合は毎回行きたい」という人が08年までに比べて減っているということがあるのは間違いない。それをどうにかしないといけないのは、違う問題として考えなければならないのだが。

 ブリスベンに行く飛行機の中で、少し考えよう。

(2015年5月7日)

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