Weps うち明け話 文:清尾 淳

#901

踏ん張れ!

 つい先日、6月10日(金)までは、「3試合連続無失点」「自力1st優勝はレッズだけ」だった。それが1週間も経たないうちに、「4試合連続無得点」「次節で1st優勝消えるか」と言われている。間違いのない事実だから仕方がないが、この変動には愕然とする。
 
 選手たちは、いま最も我慢しなくてはいけない時期を迎えている。
 まず早く点が欲しいからと前掛かりになったり、攻め急いだりすることへの我慢。リスクマネジメントと攻守の切り替えというのは、今季の二枚看板だ。それを手放したら勝利は遠のく。
 それはわかっていても、結果が出ているうちならいいが、2試合連続でブーイングを浴びた後だけに、土曜日の広島戦でも、もし点が取れない時間が続いたら、心理的に穏やかではいられなくなるかもしれない。いつもより我慢しにくい状況の中で、いつもより意識して我慢をしなくてはいけない、というのは苦しいだろう。

 だが、それがいま必要な苦しみだ。
 何か新しいことをやれば、結果はわからなくてもそこに希望が持てるような気がするが、実は積み上げてきたやり方が、点を取る一番の近道。そうチームで意思統一するのであればやり通さなくてはいけない。ここを乗り越えれば、精神的に一つ強くなれるはずだ。
 シーズン終盤に来ていた苦しい時期が、今年は早めに来た。年末にそう言うためにも、ここで踏ん張らないといけない。

 サッカーの内容について、ひと言だけいうと、ここ2試合、今季の二枚看板が少し色あせて見える気がする。相手に個々のうまさがあるのは百も承知なのだから、攻守の切り替えも、これまでより早く、強くいかなくては取り返せない。ACLで培ったはずの球際の強さも、十分には発揮できていない。
 できるはずのことを、しっかりやる。そういう広島戦を見せて欲しい。

(2016年6月17日)

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