Weps うち明け話 文:清尾 淳

#909

空いたスケジュール

 手帳に書いた12月のスケジュールを線で消す。何人のサポーターがそうしただろう。
 天皇杯で敗退した年はいつもそうなのだが、特に今季は三冠というのが合言葉になっていたから、横線を引く手が重い。三度リードして三度追い付かれた川崎F戦の負け方も、タラレバがいくつも浮かび上がってきて、手が止まりがちになる。

 今季は、PK決着の可能性のある三大会全てにおいてそれを経験した。PK戦では今季1勝2敗だ。
 そういう大会がまだ一つある。日本のリーグチャンピオンが出場するFIFAクラブワールドカップもノックアウト方式だ。
 そこでPK決着の成績を五分に戻すとか勝ち越すなどという気はさらさらないが、そこへの出場権も懸かったチャンピオンシップで勝利する、というシーズン当初からの目標が、土曜日の敗戦で、さらに色濃くなった。
 年間勝点1位という王者本来の資格は11月3日に手に入れた。だが、Jリーグチャンピオンという称号は、2ステージ制というショーケースに保管されたままである。
 悪法も法なり。
 今のレギュレーションに則って12月3日、名実共にチャンピオンになるため、レッズは3日間のオフの後、仕切り直しで準備を始める。戦いはまだまだ続くのだから。

 ちなみに年末年始のスケジュールが少し空いたが、天皇杯がないならないでやるべきこと、ないからこそやれることはある。この時期、決してヒマになるわけではない。
 チームも同じだ。
 今季の公式戦は遅くとも12月18日で終了することが確定した。
 今年よりは選手も身体を休めることができるだろうし、来季の始動など、スケジュールをやや見通せるようになったはず。
 ぜひ2017シーズンのさらなる前進の準備をして欲しい。
EXTRA
 学校へ通っている子どもがいる人でないと、なかなか思い出せない「埼玉県民の日」だが、9年前のきょう、アジア王者に就いたレッズサポーターの中では、認識率が高いのではないか。
 おそらく、商品名「ルヴァン」の認識率も、埼玉県が全国で群を抜いて高いのではないかと思われる。

(2016年11月14日)

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