Weps うち明け話 文:清尾 淳

#933

渾身

 とりあえず明日のMDP532号(11月25日、ACL決勝第2戦)は終わった。
 仕事をしながら「おかしいな」と思っていた。MDP3連チャンで忙しいのは当然だが、苦しいのは2号目、3号目であって、最初の号はそれなりに時間もかけられるから、それほど大変ではなかったはずなのに、なんかボリューム感がいっぱいだ。
 全部の校正ゲラをまとめてみて、やっと気付いた。
 ・ACLだから一般の広告が載せられない。
 ・決勝だから、開幕号や特別の試合と同じ48ページ体制。
 この2つは、いつも普通にやっていることなのだが、両方が合わさるのは初めてなのだ。

 ACLに初めて出場した2007年から、MDPは通常48ページ体制になった。ACLでは32ページになるが、総ページ数は減っても、通常の広告がないから相対的に記事スペースが増え、実質的に読むところはあまり変わらない。
 現在は通常32ページ、1シーズンに何回か40ページや48ページになる。開幕や最終戦、夏休み最初の試合、さいたまダービーなどだ。
 今回は通常より12ページ増えただけでなく、広告がない分さらに10ページ分くらい記事スペースが多いことになる。そりゃ大変なはずだ。昨日まで気付かなかった自分の間抜けさに苦笑した。
 ページが多いだけでなく、渾身の作という気がしている。前回のホームから1か月の準備期間がなかったら、できなかっただろう。
 レッズが2度目のACL制覇を果たすために、僕ができることはやったつもりだ。間抜けで良かった。たっぷり書けたから。

 渾身の作、で思い出した。
 昨日、11月23日からクラブが発売開始した「25周年記念、週めくりカレンダー」。
 この製作にもだいぶ関わらせてもらった。
 レッズ25年の歴史の中で、これは、と思う試合や出来事、現象などを53項目に絞り、ハガキ大のカードに1項目ずつ写真とコメントを付けてある。それぞれ1週間分のカレンダーになっているが、項目は時系列ではなくランダムなので、1週間ごとに「ああ、今週はこれか」と新鮮な懐かしさ(?)を覚えることだろう。と言っても、買ったらすぐに全部を見てしまえるのだけれど。

 まず僕が150項目ぐらいの候補を写真として出し、それを関係スタッフが取捨選択。さらに僕が「これは外さずに絶対残すべき」という再提案したりして、思えばかなりブラッシュアップして53項目を決めた。
 その53項目に僕がコメントを付けていったのだが、それにもやはり関係スタッフの推敲が入り、僕が書き直し、また推敲し、というふうにしてできていった。結果、25周年を語るものとしては、かなりの自信作になった。

 ただ「僕の」自信作である。きっと、ある人は、いや多くの人は「マニアック過ぎ」と言うだろう。何万人というレッズファン・サポーターの大部分から好評を博するグッズではないかもしれない。
 だけど、だけど。
 世間から見れば、レッズサポーターもきっと「マニアックな」存在に違いない。
 つまり「マニアックの粋」みたいなものだ。
 だから、一家に一セットあってもいいんじゃないかと思うのだが…。

渾身

※写真 こんなのが53枚セットになっている

(2017年11月24日)

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