Weps うち明け話 文:清尾 淳

#934

国際派

 今季、レッズのミュージアム(仮想)に、スルガ銀行チャンピオンシップのタイトルが加わった。決勝のみの大会ではあるが、国際タイトルであり、しかも相手は世界的に注目されているシャペコエンセとあって、そこでも浦和レッズの名が世界に流れたことだろう。特に、試合後にレッズサポーターが発信した、相手チームへの連帯メッセージが。

 そして今回のACL優勝。もしかしたらアジアの中で、10年の間にだんだん薄くなってきたかもしれない「URAWA」の名を、色濃く塗り直した。特に準決勝、決勝で訪れた上海やリヤドには、リベンジするべき相手として、その名が深く刻まれただろう。まさかの逆転負けを喫し、その後自分たち自身の蛮行が招いたこととはいえ、処分を受けた済州ユナイテッドも然り。ウェスタン・シドニー・ワンダラーズにとっても、2試合で10失点した記憶はなかなか消せないだろう。

 そして12月には、FIFAクラブワールドカップ(FCWC)がある。
 これまでJリーグ勢は浦和、G大阪、広島(2回)、柏、鹿島の5クラブが出場しているが、アジア代表として(開催国枠以外で)出場したのは浦和とG大阪のみ。他国開催のFCWCに出場するクラブは、今回の浦和レッズが初めてとなる。
 開催国のUAEに飛ぶのは、チームも応援するサポーターも大変だが、それでこそ国際大会、という感じがする。必ず初戦に勝ち、準決勝でレアル・マドリッドと戦って欲しい。レアルとは初対戦なので、「第2戦」が欲しいところだが、そうもいかない。しかし、もし決勝に進めば、世界に「URAWA」の名を轟かすことができる。

 2017シーズンの浦和レッズは「超」が付きそうなほど、インターナショナルなクラブになった。
 そのレッズが、国内では1つもタイトルを獲れなかった。
 ACLとJリーグを並行して戦い、どちらも勝ち進むのは難しい。それは10年前にも経験しているが、あのときはJリーグ優勝にも王手をかけていた。今季は一時首位に立っただけで、優勝争いにすら加わらなかった。
 これからの浦和レッズは、「URAWA」の名を世界に響かせつつ、国内でも全てのタイトルを争うという難易度の高い事業に挑戦し、かつ成就させていかなければならない。
 それにふさわしい準備とはどういうものか。しっかりと考えていかなければならない。

(2017年11月28日)

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