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Weps うち明け話 #1032

絆の証(2020年6月26日)

 

 どの試合を見ようか。

 エルゴラのトップに載っている千葉対大宮か、小池純輝のいる東京V対栃木か、長崎対永田拓也のいる北九州か。もちろん金沢の結果も気になる。

 森脇良太や李忠成が行った京都対磐田は日曜。あ、でも小野伸二のいる琉球対福岡と被ってるな。

 

 これまでJ2の試合は、J1の試合がない日に行われているとき、急ぎの仕事がなければ、元レッズ(または元レッズユース)の選手が出ている試合を見るぐらいだった。だから最終節とか昇降格が決まりそうなとき以外は、あまり生では見ていなかったと言っていい。

 明日6月27日(土)のJ2第2節は、おそらく18時前から予定を入れずテレビの前に座って、見る準備をしていることになるだろう。きっとザッピングすることになるだろうが。

 今は珍しくブンデスリーガやラ・リーガも見ているし、6月19日(金)にはなんと横浜DeNA対広島を見た。日本シリーズ以外のプロ野球の試合を、「テレビをつけたら良い場面だったから」ではなく、見ようと思って生放送で見たのは久しぶりだ。

 

 そして明日のJ2の試合が終わると、さあ来週は俺たちだ、という気持ちになるだろう。2月下旬のころのような、―いや、違う。たぶん1992年9月か、1993年5月ごろのような心境になるのではないか。

 それだけ4か月間というのは長かったし、そして再開するJリーグに新鮮さを感じている。

 

 東京を中心に、また新型コロナウィルス感染者が増え始め、コロナウィルスと共存しながらどう生活するか、どう社会活動を行うか、というのが今のテーマになっている。緊急事態宣言中に否応なく始めたビジネスが意外にも軌道に乗りそうだったり、やむなく変化した人との付き合い方や仕事の仕方がこれからも続いていきそうだったりする。もちろんネガティブなことの方が多いし、そんな表現では済まないくらい悲しいこと、苦しいことに直面した人も少なくないだろう。まるで時が止まったかのような心境になろうと、現実の時間は変わらず流れていく。

 

 そんな中で再開するJリーグの「新鮮さ」というのも、たしかに「これまでになかったこと」ではあるが、良いことばかりではなく、良くないことの方が多い。VARの導入見送りや、交代枠の5人3回制がどうなのかはわからないが。

 その中で、いかにファン・サポーターが試合を楽しみ、選手に全力を発揮してもらうか。各クラブが競ってアイデアを出している。

浦和レッズももちろんだ。一昨日書いたクラウドファンディングの「リターン」や、7月4日横浜FM戦のマフラー掲出や、7月22日柏戦までのメッセージ募集などもその一つだ。

 

 クラブが受ける経済的な大打撃をどう手当てするか、そして人がほとんどいないスタジアムでの試合にファン・サポーターがどう関わるか、という2つの大きなテーマがあり、その中で出てきたアイデアだ。ネガティブな環境が生み出させたポジティブなこと―「絆の証」と言ってもいいだろう。

 そこでクラブにお願いする。

 今後、新型コロナ関連の状況がどうなっていくかわからないが、今回の「リターン」などのうち、いくつかのものは来季からも続けて欲しい。もちろんクラウドファンディングのお礼としてではなく。

 レプリカユニフォームなどの実際の「品」をのぞき、これらの「リターン」はもともと商品ではない。クラウドファンディングに協力してくれるファン・サポーターへどういうお礼が可能か、また今の時期にふさわしいか、ということで考えられたものだと思うが、その中には「平時」にもぜひやって欲しいことがある。

 そうやって来季以降にいくつかの絆の証が続いていけば、本当にこのコロナ禍を単に大災害で終わらせなかった、ということになると思う。

 

EXTRA

 正直言えば、クラウドファンディングのリターンを考えるブレーンストーミングの場に僕も一度入りたかった。ぜひ加えて欲しかったリターンがあったのだが。

 クラウドファンディングのコースを見たとき、僕ならこれかな、と思ったのが「強化担当者オンライン対談コース」。だが、はやばやと3人の枠が埋まってしまった。お前は、いつでも話してるだろう、と思われるだろうが、他の人を交えた話し合いは、また興味深いのだ。それともこれって、支援者1人と強化担当者3人が対談するのか?

 

(文:清尾 淳)