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Weps うち明け話 #1196

ルヴァンカップ敗退の代わりに(2024年5月31日)

 

 数えると7試合だった。あっという間に5月が過ぎた気がする。月単位で動いているわけではないが、今年これ以降、7試合も予定されている月はない。

 去年の今頃は、「今季は最多で63試合」などと計算していた。最少では46試合だったはずで、実際はラウンド16で敗れた天皇杯の準々決勝以降3試合がなくなり、最終的に公式戦60試合を戦った。

 

 実は毎年、試合数を数えているわけではなく、たしか鈴木啓太が体調を崩した2008年に、前年からの疲労が影響していたと聞いて、どれくらいの試合があったんだろうと思い、数えた記憶がある。啓太の場合は日本代表戦もあったのでレッズの公式戦数とイコールではないが、2007年のレッズはACL12試合とFCWC3試合があったので、ナビスコ杯の予選リーグが免除されたとはいえ、たしかにけっこうな数だった。

 

 昨季は、2022ACLが決勝だけ残っていたので、ルヴァン杯のグループステージが免除されなかったこと。そのACL優勝で、2023/24ACLにプレーオフから出場することになったことなど、レギュレーション上、試合数が多くなった部分もあるが、とにかくレッズが勝っていったから60試合にもなったのだ。

 

 60試合を戦って勝ち続けるには(勝たないと60試合にならない)、通常の陣容では難しい。在籍選手全員がJ1リーグでの先発経験が豊富だとか日本代表経験者ばっかりだというなら何とかなるだろうが、現実的ではないから誰かにしわ寄せが行く。そして60試合戦うということは、オフの開始が遅くなるということで、何人かの選手は翌シーズンの開幕までにしっかりリフレッシュができないかもしれない。あるいはシーズン終了後に、我慢していた箇所を手術選手も出てくるだろう。つまり60試合戦った翌シーズンはチームが戦力ダウンしている可能性が高いと思う。

 

 今季は新加入選手が多く、昨季の60試合を経験していない選手もリーグ戦に出場している(実際、60試合全部出た選手はいないが)。前回の町田戦の先発でいうと、石原広教、渡邊凌磨、前田直輝、チアゴ、オラ ソルバッケンが、途中出場で言うとサミュエルグスタフソンと武田英寿がそうだ。

 だから、優勝争いこそしていないが、何とか崩れずにいるのだろう。

 

 FCWCは毎年行われなくなるが、とりあえず来季は開催されるし、レッズは出場が決まっている。リーグ戦で今季の目標を達成して優勝すればもちろん、3位でも来季のACLに出場する。天皇杯にも復帰するし、ルヴァンカップは途中から出場する。2023年ほどではないと思うが、今季とくらべて相当試合数が増えるはずだ。今の状態で戦い続けられるのか。

 

 マティアス監督は、長崎に敗れてルヴァンカップがなくなり、リーグ戦だけになった後、「来季は4~5つの大会に出場する」と語った。

 初めは「いま、そんなことを言っても仕方ないだろう」と思ったが、それは浅はかだった。

 大会が一つ減ったことは残念だが、試合やそのための移動がなくなり余裕ができた分、練習に力を入れて来季のハードな日程に備える、という意味だった。

 もちろん、その成果は来季まで取っておく必要はなく、残りのリーグ戦で発揮して欲しい。

 

 とりあえず、65日と9日に予定していた試合がなくなった。明日の神戸戦の次は15日のC大阪戦だ。2週間あれば、短いキャンプでもできそうなくらいだ。

 キャンプはともかく、みっちり練習して、このところ分が良くないヨドコウ桜スタジアムで、良い内容と勝利を見せて欲しい。

 明日の神戸戦は勝利だけでいいから。

 

(文:清尾 淳)