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Weps うち明け話 #1223
決起集会・その2(2024年2月13日)
(その1から続く)
午後からはレッズOB(興梠慎三、宇賀神友弥、森脇良太、柏木陽介、岡野雅行=敬称略)や現役選手(関根貴大、前田直輝、石原広教、松本泰志、荻原拓也、長倉幹樹)がステージでトークショーを行い、これには文字どおり「黒山の人だかり」だった。通りすがりの人に声は聞こえたが選手の姿は見えにくかっただろう。次回はステージを高くして後ろからでも選手の顔が見えるようにするとか、モニターを設置するとかすれば、立ち止まってくれるのではないか。選手の顔が見えたら親近感も増すだろう。もっとも2,000人の聴衆が4,000人になったら別の対処が必要になるが。
トークショーに関して言うと「ステージ上のエンタメを楽しむ2,000人の聴衆」という空間が一つあり、「その空間を見る、通りがかった人たち」という図式があった。つまり、試合以外でレッズを楽しむ人たちがこれほどいることを認識してもらったと言える。これも、このイベントの効果だ。
出演した選手にも話を聞いた。
「あんなに人が来てくれるとは思っていなかったので、それだけ期待してくれているんだと思いました。反応もすごく良かったので、話しやすかったです。こういう人たちに支えられて自分たちはピッチに立っているんだな、と思ったし、結果で恩返ししたいと思いました。
キャプテンという立場になってから初めて、ああいう場所で話をさせてもらいましたが、自分の気持ちが伝えられて良かったと思います」(関根貴大)
「前のステージでOBの方々があれだけ盛り上げてくれたので、盛り下がらないように頑張りましたが、やっぱりそれは難しかったです。背番号(30)のことをだいぶフォーカスされたので、あらためて身が引き締まりました。
メディアを通して言うのと直接言うのとでは伝わり方も違うと思うし、こちらの責任感も違ってきますね」(前田直輝)
「ステージからみて、みなさんのリアクションが大きいのでトークショーしてるな、という実感があり、やりがいがありました。みなさんを前にして、今季活躍したいなと思いましたし、このファン・サポーターのためにできるだけ多くの勝利、良いプレーを届けられたらと思いました。
開幕前の、こういうイベント初めてなんですか? これが良い流れのきっかけになればいいですね」(松本泰志)
なるほど。寒かったことを除けば、選手たちにもプラスになったようだ。
トークショー約2時間の司会を務めた、埼スタ場内アナウンスの朝井夏海さんは「通りがかった人も何かなって見てくれたりとかしたので、こういうのがきっかけで、また新しい人が来てくれたら嬉しい」と語っていた。
寒い中、しゃべりすぎるOB、しゃべらない選手をさばいた手腕はさすがだった。僕としては、この日通りがかった人に「埼スタにくれば、あの人の声が聴けるんですよ」と言いたいほどだ。
朝井さんも5万人のホームでの勝利を満喫している一人だが、もちろんそれに満足はしていない。
「今日、これがきっかけになればいいな、というふうに思います」
もちろん次回も進行をお願いしたい。
最後に、このイベントを担当したスタッフに話を聞いた。
それによれば、クラブは部署を横断して、どうしたらレッズのことをもっと好きになってもらえるか、どうしたら新しい人にレッズのことを知ってもらえるか、というミーティングを毎週やっているそうだ。
その一つのきっかけとして、今回のイベントを1日かけてやろうということになり、クラブを挙げた取り組みになった。
同じタイミングで浦和駅の階段に大きなビジュアル広告が出たり、PARCOにもビジョンが出たりという連動もあった。また、この日はホームゲームチケットの一般販売の開始日でもあった。そういう流れの一環でもあったようだ。
僕は言った。
レッズが勝って盛り上がるのはもちろん大事。もう一つ、レッズで浦和が盛り上がる、そんな街にしたいですね。
「そうですね。レッズは偉そうにしていてはいけない。やっぱり、この街にレッズがあるぞっていうことを街に住んでいる方に知ってもらいたいし、触れてもらいたいし、何よりもレッズがあることで、笑顔で楽しく時間を過ごしてほしい。そんな純粋な気持ちです」
クラブスタッフの、その言葉と次の行動を信じている。
写真1・ステージの前は黒山の人だかり
写真2・浦和駅西口に出る階段
(文:清尾 淳)