Weps うち明け話 文:清尾 淳

#983

レッズ系大学生

 レッズの沖縄キャンプに大学生が練習生として何人も参加している。

 その多くがレッズユース出身者だ。卒業して数年経っているからすぐに名前が出てこない選手もいたが、全員顔は知っている。ジュニアユース、ユース時代に高円宮杯U15やJユースカップなど全国タイトルを獲った選手もいる。


 練習生がレッズのキャンプに参加する理由としては、練習のときの人数調整、というレッズ側の事情がまずある。

 今回の一次キャンプではまだやっていないが、紅白戦を行うときプロ選手だけではフィールドプレーヤー20人がそろわないこともあるし、たとえば今日の午前練習がそうだったのだが、4人ずつ6つの組を作るときなども練習生がメンバーに入らないと人数が足りない。そんなとき、ある程度の技術を持った選手が予備的にいてくれると助かるわけだ。


 もちろん大学生にしてみれば、プロの練習に参加するというのは自分のスキルアップのために絶好の機会だし、プロの指導者の目に止まってJリーガーへの道が拓けることになるかもしれない。それが、かつて上を目指した浦和レッズならばなおさらだ。レッズ側としても単なる人数あわせのために呼んでいるだけでなく、中村修三GMらがしっかり彼らを見ているし、全体練習での時間が足りなかったと思えば練習生だけを指導することもある。それはたいてい大槻毅ヘッドコーチや池田伸康コーチの役目で、彼らが選手を呼ぶ声を僕は懐かしく感じている。


 彼らも僕のことを「よく試合に来ていたハゲのオッサンだ」と覚えてくれているようだし、こんな僕でも「頑張って」とひと声掛けることが彼らのプラスになれば、と思っている。


 レッズユースの選手たちにとって、育成出身で一番の憧れはアジアカップでも活躍中の原口元気だろう。

 そしてユース出身の大卒Jリーガーと言えば、レッズでは宇賀神友弥と阪野豊史だ。特に宇賀神はレッズで10年目を迎え、J1での通算は230試合を超えている。ユースから直接トップでなく、大学を経由してレッズに戻ってくる道はすでにあるし、レッズ以外のチームに入った選手もいる。

 その道は、ここ1~2年で確実に太くなっている。育成の指導者にしてみれば、3年間あるいは6年間、手塩に掛けて育てた選手たちが卒業したらさようなら、ではなくてクラブとしてずっと目を配っていることはうれしいはずだ。


 諸事情から練習生の名前や写真を載せることはできないが、写真は撮っている。いつか彼らがレッズ入りしたとき、2019年の沖縄キャンプにも参加していた、と掲載できるかもしれないから。

(2019年1月28日)

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